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算数の授業の導入に使える5分間の活動

よい導入は、花のみつのひと口目みたい。ほんの少しなのに甘くて、みんなを「もっと!」という気持ちにしてくれるんだ。ここにあるアイデアのほとんどは、黒板とチョークがあればできるよ!

45分の算数の授業のはじめの5分から10分。この短い時間に、子どもたち全員の頭を算数に切りかえ、クラスの様子をつかみ、九九や「いくつといくつ」などの基本的な計算をふり返ることができます。よい導入の活動は、準備がほとんどいらず、全員が答えられて、いつも手をあげる数人だけで終わりません。

問題解決の授業では、導入で本時の「めあて」につながる問題を出すことが多いでしょう。その前の数分を「計算タイム」や「ウォーミングアップ」として使えば、既習の内容を思い出す場になります。ここで紹介する25の活動は、低学年・中学年・高学年に分けてありますが、ほとんどは数を変えればどの学年でも使えます。全員が一度に答えるには、ミニホワイトボードや数字カード、指で十分です。

低学年(1・2年生)の導入

1年生は100までの数(多くの教科書では120くらいまで)と、くり上がり・くり下がりのある1けたのたし算・ひき算(9 + 9 = 18 まで)、2年生は4けたの数と筆算、そして多くの学校では2学期に九九を学びます。10のまとまりと「あといくつで10」を土台にした活動を中心にしました。

  1. 今日の数。黒板に数を1つ書き、その数について知っていることを何でも言ってもらいます。例:14なら、「10と4」「7と7」「20より6小さい」「15の1つ前」「あと6で20」「十の位が1、一の位が4」。2年生なら「2 × 7」「7 × 2」も出てきます。
  2. フラッシュカード。カードをさっと見せて、全員で声をそろえて答えます。例:1年生は「あといくつで10」。7のカード(または7この丸)を見せたら「3」。2年生は九九カードで、「6 × 7」を見せたら「ろくしち しじゅうに」。慣れてきたら、答えのカード(42)を見せて「どの九九?」と逆に聞きます。
  3. とび数リレー。席の順に1人ずつ、決まった数とびで数をつないでいきます。先生が手をたたいたら、逆向きに数えます。例:1年生は0から2とび、5とび、10とびで100まで。2年生は7から10とびで、7、17、27、37、47。100から10とびで戻る練習もおすすめです。
  4. せーので見せて。問題を出し、「せーの」で全員が指やブロック、ミニホワイトボードで答えを見せます。例:「6を見せて」「6より2大きい数を見せて」(8)「10になる組を1つ見せて」(6と4など、どの組でも正解)。だれがまだ指で数えているかが、ひと目でわかります。
  5. □にあてはまる数。一部がかくれた式を書きます。例:8 + □ = 15(□は7)、□ − 4 = 9(□は13)。答えが出たら「どうやってたしかめる?」と聞き、8 + 7 = 15、13 − 4 = 9 と確かめます。1年生には「8といくつで15?」と口で出すとよいでしょう。
  6. 何十・何百の暗算。10や100のまとまりで考える計算をテンポよく。例:1年生は 30 + 40 = 70(10が3こと4こで7こ)。2年生は 70 + 50 = 120(10が12こ)、600 + 800 = 1400(100が14こ)、1000 − 300 = 700。10円玉や100円玉の絵を見せると、まとまりがイメージしやすくなります。
  7. 九九のとなえ方いろいろ(2年生)。九九を覚えたあとも、となえ方を変えると新鮮な練習になります。各段を「×1」から順に言う「上がり九九」、「×9」から逆に言う「下がり九九」、順番を入れかえた「ばらばら九九」。例:7の段の下がり九九は「しちく ろくじゅうさん、しちは ごじゅうろく、しちしち しじゅうく…」。「答えが24になる九九は?」(3 × 8、4 × 6、6 × 4、8 × 3)のような逆の問いも、九九表を見る目を育てます。
  8. ハニカムパズル。Beequationのハニカムパズルを映します。並んだ数のうち1つは、ほかの2つの数の和です。どれかな?例:8、3、16、9、7。答えは16で、9 + 7 = 16。ほかの数がちがうと、どうやってわかったのかも聞いてみましょう。

中学年(3・4年生)の導入

3年生ではわり算と、小数・分数のはじまり、4年生ではわり算の筆算や概数を学びます。学習指導要領は3年生と4年生の計算について、「簡単な計算は暗算でできるよう配慮する」としています。導入の5分は、この暗算の力を少しずつ育てるのにぴったりの時間です。

  1. 今日の数(決まった問い)。黒板に決まった問いを貼っておき、数だけを毎日変えます。例:48なら、2倍すると96、半分は24、100をたすと148、10倍すると480、九九では 6 × 8 と 8 × 6、わり算では 48 ÷ 6 = 8 と 48 ÷ 8 = 6。4年生なら「一の位を四捨五入すると50」も加えます。
  2. およそいくつ?ブロックの入った入れ物や、本の山、運動会の写真などを見せ、まず見当をつけて書いてもらいます。ヒントを1つ出したら、見当を変えてもかまいません。例:ブロックの入れ物。ヒントは「この小さなカップに10こ入ります。入れ物はカップ6はい分くらい」。だから、およそ60こ。4年生は計算の見積もりにつなげます。498 + 315 は、およそ 500 + 300 = 800。正しい答えは813です。
  3. 九九表のきまり発見。九九表を映し、「何か気づいたことはある?」と聞きます。例:2の段と3の段の答えをたすと5の段の答えになる(2 × 6 + 3 × 6 = 12 + 18 = 30 = 5 × 6)。九九表をななめに折ると同じ答えが重なる(かける数とかけられる数を入れかえても答えは同じ)。9の段の答えは、十の位が1ずつふえ、一の位が1ずつへる(9、18、27…81)。3年生なら、7 × 12 = 7 × 10 + 7 × 2 = 84 のように、九九をこえるかけ算にも広げられます。
  4. 計算のなかま。3つの数を見せ、それを使ったかけ算とわり算の式をすべて言ってもらいます。例:7、8、56なら、7 × 8 = 56、8 × 7 = 56、56 ÷ 7 = 8、56 ÷ 8 = 7。わり算の答えは九九で見つける、という3年生の考え方がそのまま練習できます。
  5. 知っている計算から広げよう。計算を1つ示し、そこからわかる計算をできるだけたくさん見つけます。例:3 × 8 = 24 から、30 × 8 = 240、3 × 80 = 240、24 ÷ 8 = 3、240 ÷ 8 = 30、そして2倍して 6 × 8 = 48。
  6. どこがちがう?まちがいのある筆算を見せ、どこがちがうか、どう直すかを考えます。「ある友だちの筆算」として出すと、だれも気まずくなりません。例:下の 532 − 178 = 446 は、一の位で2から8がひけないのに、8から2をひいてしまっています。十の位も同じです。たしかめ算をすると 446 + 178 = 624 で、532 にならないことからも気づけます。正しい答えは354です。4年生には、わり算の筆算で商に0をたてわすれた例(812 ÷ 4 を23としてしまう。正しくは203。4 × 23 = 92 なので、たしかめ算で気づけます)もおすすめです。
  7. 何時何分になる?時刻と、そこからの時間を出します。例:「いま10時45分です。25分後は何時何分?」。15分で11時ちょうど、あと10分で11時10分。時刻表の書き方でも出してみましょう。「遠足のバスは16:50に出発して、35分で学校に着きます」。着くのは17:25、午後5時25分です。
  8. 1分間チャレンジ。九九を使うわり算などを順番をばらばらにして並べ、1分間でどこまでできるかを数えます。例:3年生なら、42 ÷ 7(6)、63 ÷ 9(7)、56 ÷ 8(7)、36 ÷ 4(9)…。くらべる相手はほかの子ではなく、前回の自分です。記録は本人だけが見るようにし、順位はつけません。まだ九九があやふやな子には負担が大きいので、ほぼ身についてから使うのが効果的です。
  9. かけ算のハニカム。Beequationのパズルで、1つの数がほかの2つの数の積になっているものです。例:6、8、42、7、45。答えは42で、6 × 7 = 42。45はよいひっかけです。九九の答え(5 × 9)ですが、5も9もハニカムにはありません。
532 −178 446 ?
「どこがちがう?」の例。一の位も十の位も、上の数から下の数がひけないので、大きい数から小さい数をひいてしまっています。くり下がりをすると、正しい答えは 532 − 178 = 354。たしかめ算:354 + 178 = 532。

高学年(5・6年生)の導入

5年生では小数のかけ算・わり算、約数と倍数、割合と百分率、6年生では分数のかけ算・わり算、比、文字を使った式を学びます。高学年の導入では、答えを出すだけでなく、「どうしてそう言えるの?」と説明することを大切にしましょう。

  1. 目標の数をつくろう。6つの数と目標の数を示し、+、−、×、÷ を使って、目標にできるだけ近づけます。例:25、6、3、2、10、1で、目標は156。1つの方法は、25 × 6 = 150、3 × 2 = 6、150 + 6 = 156。切符の4つの数字で10をつくる遊びと同じ形にしてもよいでしょう。2、3、5、9なら、(9 − 5) × 3 − 2 = 10 です。
  2. みんな仲間はずれ。4つの数のどれもが、それぞれ別の理由で仲間はずれになります。例:9、16、25、43。9は1つだけ1けたの数、16は1つだけの偶数、25は1つだけの5の倍数。43は、3 × 3、4 × 4、5 × 5 のような同じ数どうしをかけた数になっていない、ただ1つの数です(約数が1と43の2つしかない、ただ1つの数でもあります)。
  3. ○か×か。1つの文を読み、全員が手で○か×をつくってから、だれかが理由を説明します。例:「0.3 × 10 = 0.30」は×。10倍すると位が1つ上がるので、答えは3です。「5分の3(⅗)は2分の1(½)より大きい」は○。⅗ = 0.6、½ = 0.5 です。6年生なら「⅔ × ¾ = ½」(○)。
  4. いつでも・ときどき・ぜったいにない。文を読み、どれにあたるかを決めて、例で確かめます。例:「かけ算の答えは、かけられる数より大きくなる」は、ときどき。12 × 1.5 = 18 は大きくなりますが、12 × 0.5 = 6 は小さくなります。「わり算の答えは、わられる数より小さくなる」も、ときどき。6 ÷ 0.5 = 12 です。6年生は分数でも確かめます。⅔でわると 6 ÷ ⅔ = 9 で大きくなり、2分の3(³⁄₂)でわると 6 ÷ ³⁄₂ = 4 で小さくなります。
  5. 割合クイズ。割合・百分率・歩合を、短い問題でくり返します。例:600円の10%は60円。クラス30人のうち12人がサッカー好きなら、12 ÷ 30 = 0.4 で40%、4割。2,000円の品物の3割引は1,400円。言いかえの練習もおすすめです。5分の2(⅖)= 0.4 = 40% = 4割。発展として、8分の3(⅜)= 0.375 = 37.5% = 3割7分5厘。
  6. 約数さがし。ペアで、ある数の約数をすべて見つけます。例:24の約数は、1と24、2と12、3と8、4と6の組で、全部で8こ。続けて「20より小さい数で、約数がいちばん多いのは?」(12と18が、6こずつで同じ)。「6と8の最小公倍数は?」(24)と倍数の問いにしても使えます。
  7. つり合う式をつくろう。等号の両側が同じ大きさになるように、□にあてはまる数を考えます。例:36 + 27 = □ + 30。30は27より3大きいので、□は36より3小さい33。たしかめると、どちらも63です。6年生は □ のかわりに x を使ったり、48 × 25 = 12 × □ のようなかけ算(48は12の4倍なので、□は25の4倍の100)にしたりできます。
  8. 先に見積もろう。計算する前に、だいたいの答えを書いてもらいます。例:398 × 5 は、およそ 400 × 5 = 2000。正確には、398を400にしたときに2を5回多くかけているので、2000 − 10 = 1990。小数のかけ算では、4.9 × 2.1 は、およそ 5 × 2 = 10。正確な答えは10.29で、見積もりがあれば小数点の位置のまちがい(102.9 など)にも気づけます。
インディのアドバイス

同じ活動を1週間ほど続けてから、次の活動に変えてみてください。1日目は子どもたちがやり方を覚えるのに使い、2日目からは算数そのものを考えられるようになります。活動を変えずに数だけを変えれば、毎日の準備もぐっと軽くなります。

導入の5分を生かすコツ

「いくつといくつ」や九九をじっくり練習するには、いくつといくつと20までの計算と九九のおぼえ方・練習のしかたのガイドを、学年ごとの暗算の流れは暗算の単元ページをご覧ください。映したり配ったりできるハニカムパズルは、先生向けの無料パズルパックからダウンロードできます(パックは英語版ですが、パズルは数字で解くものなので、そのまま使えます)。電子黒板でブラウザ版のゲームを開いて、クラス全員で解くこともできます。

よくある質問

導入の活動は、何分くらいがよいですか?

5分から10分で十分です。全員が考えて、だれが迷っているかを見るには足りる長さで、そのあとの学習の時間もしっかり残せます。

導入の活動は、本時のめあてとつながっていないといけませんか?

つながっていてもよいのですが、必ずしもそうでなくてかまいません。導入の数分は計算のふり返りや前の単元の復習にあて、そのあと本時の問題を出してめあてにつなげる、という使い方もできます。

習熟の差が大きいクラスでも使えますか?

使えます。「今日の数」や「みんな仲間はずれ」のように答えがいくつもある活動なら、どの子も何か言えて、得意な子はさらに先まで考えられます。ほかの工夫は個に応じた指導(個別最適な学び)のガイドで紹介しています。

時間をはかる計算練習は、続けてもよいですか?

続けてかまいませんが、使い方に気をつけてください。計算がほぼ身についた子にとっては、速さを伸ばすよい練習になります。一方で、まだ自信がない子には不安のもとになることもあります。順位をつけたり記録を貼り出したりせず、前回の自分とくらべるようにすると、だれもが安心して取り組めます。

インディと練習しよう

Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。

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