単元ガイド
お金の計算
お金の計算とは、硬貨やお札の種類とそれぞれの値打ちを知り、金額を数えたり、合計やおつりを求めたりすることです。数の数え方、位取り、たし算・ひき算、そして高学年の割合までが、子どもたちにとって身近で、ちょっとうれしい「買い物」という場面の中でつながります。
キャッシュレス決済がふえ、子どもが現金にさわる機会は少なくなりました。だからこそ、家で本物の硬貨を数えたり、自分で払ってみたりする体験には大きな意味があります。
算数の中のお金:何年生で何を学ぶの?
まず知っておいていただきたいのは、文部科学省の学習指導要領では、算数に「お金」という単元はないということです。お金は、大きな数のしくみを考えるときの教材として、また文章題や割合の問題の場面として、何度も登場します。買い物のしかたやお金の使い方そのものは、5・6年生の家庭科「物や金銭の使い方と買物」で学びます。下の表は、お金が出てくることの多い場面をまとめたものです。教科書によって、扱い方や順番は少しちがいます。
| 学年 | お金が出てくる主な場面 |
|---|---|
| 年長 | 算数の授業はありません。園によっては、おもちゃのお金を使った「おみせやさんごっこ」を楽しみます。 |
| 小学1年生 | 100までの数(およそ120まで)と、十のまとまり。教科書によっては、10円玉を「10のまとまり」として数える場面があります。10円のあめと30円のガムで40円、のような何十のたし算・ひき算。 |
| 小学2年生 | 4けたの数(9999まで)と1万。100円玉10枚で1000円、と大きな数をイメージします。2けたのたし算・ひき算の筆算で、45円のラムネと38円のガムで 45 + 38 = 83円、のような買い物の文章題。九九を使った「1こ5円のガムを7こで 5 × 7 = 35円」。 |
| 小学3年生 | 3けた・4けたの筆算で合計やおつり(1,000円 − 645円 など、0があるくり下がり)。簡単な計算の暗算。わり算で、60円を3人で同じように分けると1人20円。一万、十万などの大きな数。 |
| 小学4年生 | がい数と四捨五入を使って、買い物の合計を見積もります。198円、312円、489円なら、200 + 300 + 500 で、だいたい1,000円。 |
| 小学5年生 | 単位量あたりの大きさで「どちらがお得?」を考えます。割合と百分率で「3割引」「30%引き」、消費税(10%)の計算。家庭科が始まり、5・6年生の2年間で、物やお金の使い方と買い物について学びます。 |
| 小学6年生 | 文字を使った式(1本 x 円のえんぴつ6本の代金は x × 6 円)と比例(代金は買う本数に比例する)。家庭科の買い物やお金の使い方の学習も、6年生まで続きます。 |
大切な考え方
1. 6種類の硬貨と3種類のお札
日本の硬貨は1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類です。よく使うお札は1000円札、5000円札、1万円札の3種類。2024年7月から新しいデザインのお札が発行され、1000円札は北里柴三郎、5000円札は津田梅子、1万円札は渋沢栄一の肖像になりました。前のお札も、もちろん使えます。今の日本には1円より小さいお金がないので、金額はいつも整数で表します。
図をよく見ると、10円玉は50円玉や100円玉より大きく、5円玉も50円玉より少し大きいことがわかります。硬貨の大きさや色だけでは、値打ちはわかりません。書いてある数字を読むことが大切です。ただし5円玉には算用数字がなく、「五円」と漢字で書いてあるだけです。穴のあいた5円玉と50円玉は、色で見分けられるようにしておきましょう。まずは本物の硬貨をひとつかみ出して、種類ごとに分けてみるのがいちばんの練習です。
2. 数えるときは、大きい硬貨から
小さい子は、硬貨1枚を「1」と数えてしまいがちです。100円玉と50円玉と10円玉を見て「3円」と言うのは、よくあるまちがいです。10円玉1枚は1円玉10枚と同じ、と実際に並べて見せてあげてください。
たくさんの硬貨は、種類ごとに分けてから、値打ちの大きいものから数えたしていきます。100円玉2枚、50円玉1枚、10円玉3枚、5円玉1枚、1円玉2枚なら、「100、200、250、260、270、280、285、286、287。287円」。100ずつ、10ずつ、5ずつ数える力が、ここで役に立ちます。
1円玉・10円玉・100円玉は、そのまま位取りの教材にもなります。346円を100円玉3枚、10円玉4枚、1円玉6枚で表すと、百の位が3、十の位が4、一の位が6。1円玉が10枚たまったら10円玉1枚に両替する、というのは、筆算の「くり上がり」と同じしくみです。
3. 同じ金額を、いろいろな組み合わせで
同じ金額でも、硬貨の組み合わせはたくさんあります。300円なら、100円玉3枚でも、100円玉2枚と50円玉2枚でも、50円玉6枚でも、100円玉1枚と50円玉2枚と10円玉10枚でもつくれます。どれも300円です。
いちばん少ない枚数で払うには、入るいちばん大きい硬貨から使い、残りの金額にも同じように大きい硬貨から当てはめていきます。76円なら、50円玉1枚、10円玉2枚、5円玉1枚、1円玉1枚の5枚。287円なら、100円玉2枚、50円玉1枚、10円玉3枚、5円玉1枚、1円玉2枚の9枚です。
お店では、お子さまに本物のお金で払ってもらい、レジで言われる前に「おつりはいくらかな?」と考えてもらいましょう。ふだんはキャッシュレスで払うご家庭なら、小銭を入れた貯金箱をひとつ用意して、家のおもちゃや食品に値札をつけて「おみせやさん」をすると、それも立派な硬貨の体験になります。
4. おつりは「数えたし」で求める
おつりは「払ったお金 − 値段」のひき算です。でも、頭の中で考えるなら、値段から払ったお金まで数えたしていく方法が便利です。380円の品物を500円玉で買ったら、380円から400円まであと20円、400円から500円まであと100円。おつりは20 + 100 で120円です。1年生の「あといくつで10」と同じ考え方なので、子どもたちにもなじみやすい方法です。
もっと細かい値段でも、区切りのよい数までの「ジャンプ」に分ければ同じです。645円の品物を1000円札で買うと、次のようになります。
おつりは355円。たしかめ算は 645 + 355 = 1000 です。3年生では 1000 − 645 を筆算でも計算しますが、0が続くくり下がりは子どもたちがとてもまちがえやすいところです。数えたしで答えの見当をつけておくと、筆算のまちがいにも気づけます。
5. 買い物の文章題は「2つのステップ」
買い物の文章題の多くは、合計を出してからおつりを求める、2つのステップでできています。「1本60円のえんぴつを3本買って、500円玉で払います。おつりはいくらですか。」なら、まず 60 × 3 = 180 で代金は180円。次に 500 − 180 = 320 で、おつりは320円です。学校では、式と答えを分けて書き、答えには単位をつけます。
式 60 × 3 = 180 500 − 180 = 320
答え 320円
4年生になると、がい数で合計を見積もることも学びます。スーパーで198円、312円、489円の品物をかごに入れたら、百の位までのがい数にして 200 + 300 + 500 = 1000。「だいたい1,000円。1000円札1枚で足りるかどうか、ぎりぎりかな」と見当がつきます。実際の合計は999円で、なんとか足ります。くわしい計算のしかたはたし算とひき算のページを、頭の中で速く計算するコツは暗算のページをご覧ください。
6. おこづかい、お年玉、そして「どちらがお得?」
おこづかいやお年玉は、お金の計算を「自分のこと」にしてくれます。おこづかい帳に、もらったお金と使ったお金、残りを書いていくと、たし算・ひき算の練習にもなります。たとえば、おこづかい500円からノート150円とガチャガチャ200円を使うと、残りは 500 − 150 − 200 = 150 で150円です。何に使うか、いくら残すかを自分で考える経験は、5・6年生の家庭科で学ぶ、物やお金の大切さや計画的な使い方にもつながります。
5年生では、算数で単位量あたりの大きさを学びます。ジュースが3本で450円の箱と、5本で700円の箱があったら、どちらがお得でしょう。1本あたりの値段にすると、450 ÷ 3 = 150 で150円、700 ÷ 5 = 140 で140円。1本あたりでは5本入りのほうが安くなります。ただし、飲みきれずにあまらせてしまったら、本当にお得とは言えません。そんな話をしてみるのも、家庭科につながる大切な学びです。
同じ5年生で、割合と百分率も学びます。2,000円のくつが「3割引」なら、ひかれるのは 2000 × 0.3 = 600 で600円。値段は 2000 − 600 = 1400 で1,400円です。「3割引」は「もとの値段の7割を払う」ことなので、2000 × 0.7 = 1400 と一度に求めることもできます。「30%引き」も同じ意味です。また、値札の「税抜」と「税込」も割合の場面です。消費税は10%(食料品などは8%)なので、税抜1,000円の品物は、1000 × 1.1 = 1100 で税込1,100円になります。
つまずきやすいところ
- 大きい硬貨ほど値打ちが高いと思う:10円玉は50円玉や100円玉より大きいので、「10円玉のほうがたくさん買える」と思ってしまうことがあります。
- 金額ではなく枚数を数える:100円玉、50円玉、10円玉を1枚ずつ見て「3円」と言ってしまうまちがいです。
- 5円玉と50円玉をとりちがえる:どちらも穴があいていて、5円玉には算用数字がありません。金色が5円、銀色が50円と、色で見分ける練習をしましょう。
- 答えに単位をつけない:学校の文章題では、答えに「円」をつけて「320円」と書きます。単位をつけることで、何を求めたのかを確かめる習慣もつきます。
- ひかれる金額と、払う金額をとりちがえる:2,000円の3割引を計算して「600円」で終わってしまうまちがいです。600円は安くなる分で、払うのは1,400円です。
- 全体の値段だけでくらべる:「5本で700円」は「3本で450円」より高いから損、と考えてしまうことがあります。お得かどうかは、1本あたりの値段でくらべます。
家でできる5分あそび
- おみせやさんごっこ。おもちゃや食品に値札をつけます。小さい子は10円から100円まで、大きい子は1,000円くらいまで。お店の人とお客さんを交代して、おつりも渡します。
- 貯金箱の中身を数えよう。貯金箱の小銭を全部出して種類ごとに分け、値打ちの大きい硬貨から数えて合計を出します。
- 300円のつくり方は何通り?100円玉と50円玉だけで300円をつくると、何通りあるかな?(100円玉3枚、100円玉2枚と50円玉2枚、100円玉1枚と50円玉4枚、50円玉6枚の4通り。)
- 遠足のおやつは300円まで。駄菓子屋やスーパーのチラシを見ながら、300円をこえないようにおやつを選びます。30円のガム、100円のチョコ、120円のポテトチップス、50円のあめなら、合計はちょうど300円です。
- レジの前に見積もり。4年生からは、スーパーでかごに入れた品物の値段をがい数にして、合計を頭の中でたしていきます。レシートと見くらべて、どれくらい近かったかな?
- チラシで「どちらがお得?」5・6年生なら、チラシから似た品物を2つ選び、1こあたりや100 gあたりの値段をくらべてみましょう。
インディのチャレンジインディは夏祭りの屋台で、1ぱい230円のはちみつレモンを2はいと、350円のわたあめを1こ買って、1000円札で払ったよ。おつりはいくらかな? おつりをいちばん少ない枚数の硬貨でもらうと、どの硬貨が何枚になるかな? 答えを見る
まず代金を求めます。230 × 2 = 460、460 + 350 = 810 で、代金は810円です。次に、810円から1,000円まで数えたします。900円まであと90円、1,000円まであと100円で、おつりは190円(たしかめ算:810 + 190 = 1000)。いちばん少ない枚数でもらうと、100円玉1枚、50円玉1枚、10円玉4枚の6枚です。
お金の計算の無料プリント
家庭学習にも授業にも使えるプリントです。どのプリントも、2ページ目に答えがついています。
お金をかぞえよう小学2年生, 小学3年生 · 1円玉から500円玉までの合計PDFをダウンロード
おつりはいくら?小学2年生, 小学3年生 · 100円玉、500円玉、1000円札ではらったときのおつりPDFをダウンロードよくある質問
学習指導要領の算数には、お金だけをあつかう単元はありません。お金は、大きな数のしくみを考える教材や、たし算・ひき算、かけ算・わり算、割合の文章題の場面として何度も出てきます。買い物のしかたやお金の使い方は、5・6年生の家庭科で学びます。
1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類の硬貨と、1000円札、5000円札、1万円札です。2000円札もありますが、ふだん目にすることはほとんどありません。5円玉には算用数字がないので、色と形で覚えておくと安心です。
値段から払ったお金まで、区切りのよい数ごとに数えたしていく方法です。たとえば645円の買い物で1000円札を出したら、650円まで5円、700円まで50円、1,000円まで300円。合わせて355円がおつりです。
あると助けになります。硬貨は、10枚で1つ上の硬貨と同じになる位取りのしくみを、目で見て手でさわって確かめられる教材です。また、金額を数えたりおつりを考えたりする経験は、文章題の場面を思いうかべる力にもつながります。
インディと練習しよう
Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。