保護者の方へ
暮らしの中の算数:毎日できる37のアイデア
算数の力がいちばん伸びるのは、算数の勉強には見えない時間かもしれません。「おこづかいで買えるかな」「夕ごはんまであと何分?」のように、子どもが本当に知りたいことのために数を使うと、算数が意味のあるものになり、記憶にも残ります。ここで紹介するアイデアは、どれも準備がいらず、ほとんどが5分もかからないものです。
学年ごとに分けていますが、子どもの歩みはひとりひとり違います。むずかしそうなら前のまとまりに戻り、物足りなさそうなら次へ進んでください。答えは( )の中に書いています。リンク先では、それぞれの学年で習うことをくわしく紹介しています。
年長と低学年(1・2年生):5〜8歳
年長さんは、物を正しく数えること、数字を読むこと、「1つ多い」「1つ少ない」を、遊びや生活の中で身につけていく時期です。1年生では100までの数と「いくつといくつ」、くり上がりのあるたし算とくり下がりのあるひき算、時計の読み方を学びます。2年生になると、筆算、九九、長さ(mm、cm、m)とかさ(mL、dL、L)、午前・午後が加わります。くわしくは年長、小学1年生、小学2年生のページをご覧ください。
台所と食卓で
- 大さじを数える。「お砂糖を大さじ3杯入れてくれる?」 1杯ずつ、いっしょに声に出して数えます。
- おはしを並べる。「4人分のおはしを並べてね。おばあちゃんも来るから、何人分になる?」(5人分。2年生には「おはしは全部で何本?」とも聞いてみましょう。2 × 5 = 10で10本)
- 同じ数ずつ分ける。いちご10こを、2人のお皿に同じ数ずつ分けてもらいます。「同じになった? どうやって確かめる?」(5こずつ。1こずつ順番に配ると、同じになったかどうかがわかりやすくなります)
- プリンで九九。2年生向け。「プリンは1パックに3こ入り。4パック買うと何こ?」(3 × 4 = 12で12こ。「さんしじゅうに」)
- 牛乳パックでかさくらべ。1 Lの牛乳を200 mLのコップに注ぐと何杯分になるか、予想してから試します。年長さんや1年生とは、2つのコップのどちらに多く入るかをくらべるところから始めましょう。(5杯分。1 L = 1000 mLです)
買い物で
- 数えてふくろへ。スーパーで「みかんを8こ入れてね」。入れ終わったら、もう一度いっしょに数えて確かめます。
- 貯金箱の硬貨を分ける。硬貨を出して、種類ごとに分けます。1円、5円、10円、50円、100円、500円の名前が言えるかな? 「10円玉が10枚で、どの硬貨1枚と同じ?」(100円玉)
- 遠足のおやつは300円まで。2年生向け。「120円のおかしと150円のおかしなら、300円をこえない?」(120 + 150 = 270で270円。あと30円使えます)
おでかけ・遊び・季節の行事で
- さいころとすごろく。さいころの目を、1つずつ数えずに「ぱっと」言えるかな? すごろくでは、いまいるマスの次から「1、2、3…」と進むので、数えたしの練習になります。
- おふろで100まで。湯ぶねにつかりながら1から100まで数えるのは、昔ながらの習慣です。慣れてきたら10とびで「10、20、30…100」と数えたり、10から0まで数えもどしたりしてみましょう。
- 節分の豆。年の数だけ豆を食べるなら、7歳は7こ、5歳は5こ。「2人あわせて何こ?」(7 + 5 = 12で12こ。学校では「7はあと3で10。5を3と2に分けて、10と2で12」と考えます)
- お月見団子。15このお団子を、たとえばいちばん下に9こ、その上に4こ、てっぺんに2こと積みます。「全部で何こ?」(9 + 4 = 13、13 + 2 = 15で15こ)
- 時計とカレンダー。家の時計を見るたびに「いま何時?」。2年生には「午前7時に起きて、午後7時に夕ごはん。何時間たった?」(12時間)。カレンダーでは「たんじょう日は24日。今日は11日。あと何日?」(24 − 11 = 13で13日)
どの遊びでも、おうちの方が先に答えを言わずに、お子さまに数えてもらってください。時間がかかってもかまいません。1つずつ指でさわりながら数えるのは、この時期にとても大切な習慣です。ゆっくり待ってあげましょう。
中学年(3・4年生):8〜10歳
3年生では、3けた・4けたの筆算、簡単な計算の暗算、あまりのあるわり算、小数(0.1の位)と分数、km、g・kg、秒、そして「何分後?」「何分かかった?」のような時刻と時間の計算を学びます。4年生では、億・兆までの大きな数、がい数と四捨五入、わり算の筆算、面積、角度、折れ線グラフへと広がります。くわしくは小学3年生、小学4年生のページへ。
台所で
- はかりを読む。ホットケーキミックスを150 g量ります。「いま90 g。あと何g?」(60 g)。針のあるはかりなら、1目もりが何gかを先にいっしょに確かめましょう。
- レシピを2倍に。ミックス150 g、たまご1こ、牛乳100 mLで1回分。「2回分作るなら?」(300 g、2こ、200 mL)
- お米を量る。お米用のカップは1合 = 180 mLで、200 mLの計量カップとは大きさが違います。「3合は何mL?」(180 × 3 = 540で540 mL)
- 焼き上がりは何時何分?クッキーを3時50分にオーブンに入れて、25分焼きます。(4時15分。4時までが10分、そこから残りの15分を進めます)
- ピザを分ける。8等分したピザを3切れ食べると、残りはピザ全体のどれだけ?(8分の5、⅝)
買い物とお金
- レジの前に見積もる。4年生向け。かごの中は牛乳238円、パン162円、たまご278円。それぞれ百の位までのがい数にしてたすと、だいたいいくら? レシートとくらべてみましょう。(200 + 200 + 300 = 700で、約700円。本当の合計は678円)
- おつりは数えたしで。パン屋さんで370円のパンを買い、1,000円札を出します。おつりは?(630円。370円から400円まで30円、400円から1,000円まで600円)
- おこづかいで貯金。毎週200円ずつためると、1,500円のボードゲームは何週間で買える?(8週間。7週間では1,400円で、まだ100円たりません。あまりがあるときは、答えを1つふやすこともあります)
- おこづかい帳をつける。月のはじめに500円。120円のノートと85円のガムを買ったら、残りは?(500 − 120 − 85 = 295で295円)
おでかけ・スポーツ・時間
- あとどのくらい?おばあちゃんの家まで車で1時間30分。いま45分走りました。あと何分?(45分。1時間30分は90分です)
- 電車の時刻表。駅の時刻表は24時間表示です。「14:35発は、午後何時何分?」(午後2時35分)。「15:10に着くなら、何分乗る?」(35分。15:00までが25分、そのあと10分)
- 50 m走の記録。運動会や体力テストの記録で。「去年は10.2秒、今年は9.8秒。何秒速くなった?」(10.2 − 9.8 = 0.4で0.4秒)
- 気温をグラフに。天気予報で「朝7時は12度、午後2時は21度」。何度上がった?(9度)。休みの日に1時間ごとに気温を記録して、折れ線グラフにするのもおすすめです(4年生)。
- 4つの数で10をつくる。車のナンバーや切符の4つの数字を、+、−、×、÷を使って10にします。1、2、3、4なら 1 + 2 + 3 + 4 = 10。では、2、3、5、9なら?(たとえば 9 ÷ 3 + 2 + 5 = 10や、2 × 9 − 5 − 3 = 10。かけ算・わり算をたし算・ひき算より先に計算するきまりは、4年生で習います)
高学年(5・6年生):10〜12歳
5年生では、小数のかけ算・わり算、分母の違う分数のたし算・ひき算、割合と百分率(%)、歩合(割・分・厘)、単位量あたりの大きさ、速さ、平均、円グラフ・帯グラフを学びます。6年生では、分数のかけ算・わり算、比、比例と反比例、拡大図と縮図、代表値、並べ方と組み合わせへと進みます。中でも割合は、多くの子どもがつまずく単元です。買い物や料理の中で何度もふれておくと、教科書の問題がぐっと身近になります。くわしくは小学5年生、小学6年生のページへ。
台所で
- 人数に合わせて。カレー4人分で、肉200 g、じゃがいも2こ。6人分なら?(300 gと3こ。6人は4人の1.5倍です。2人分はその半分の100 gと1こなので、4人分にたして求めることもできます)
- ドレッシングの比。酢と油を1:3で混ぜます。油を60 mL入れるなら、酢は何mL?(20 mL。全部で80 mLになります)
買い物とお金
- セールの「3割引」。2,000円のくつが3割引。いくらになる?(1割は200円なので、3割は600円。2,000 − 600 = 1,400で1,400円。「30%引き」も同じ意味です)
- 100 gあたりのねだん。ひき肉300 gで480円と、500 gで750円。100 gあたりはそれぞれいくら?(480 ÷ 3 = 160で160円、750 ÷ 5 = 150で150円。500 gのほうが割安です。ただし、使い切れる量かどうかも大切です)
- 税込と税抜。値札に「税抜500円」とある本は、消費税10%をたすといくら?(500円の10%は50円なので、550円)。食料品(お酒と外食をのぞく)は8%なので、税抜300円のおかしなら税は24円で、324円です。
- お年玉の使い道。お年玉1万円のうち、5,000円を貯金、3,000円で本、2,000円でおでかけ。それぞれ全体の何%?(50%、30%、20%)。円グラフや帯グラフにかいてみましょう。
おでかけ・スポーツ・時間
- 地図の縮尺。2万5千分の1の地図で、4 cmは実際には何km?(4 × 25,000 = 100,000で100,000 cm。100,000 cm = 1,000 m = 1 km)
- 旅行の速さ。おじいちゃんの家まで240 km。平均時速80 kmで走り、途中で30分休みます。9:30に出発すると、何時に着く?(240 ÷ 80 = 3で、走るのは3時間。休けいとあわせて3時間30分なので、13:00)
- ソフトボール投げの平均。3回投げて18 m、21 m、24 m。平均は?(18 + 21 + 24 = 63、63 ÷ 3 = 21で21 m)
- 降水確率を読む。「降水確率30%」は、同じ予報が10回出たら、そのうち3回くらいは1 mm以上の雨や雪が降る、という意味です。「70%なら10回のうち何回くらい? かさは持っていく?」(7回くらい)
- 並び方は何通り?家族3人が横一列に並んで写真をとるとき、並び方は何通り?(6通り。左はしの人を決めると、残り2人の並び方が2通りずつあります。2通りが3人分で、2 × 3 = 6)。4人なら?(24通り)
続けるコツ
- 1日1つで十分です。全部やる必要はありません。買い物の帰り道や車の中で1問聞いてみるくらいが、ちょうどよいのです。
- お子さまにも問題を出してもらう。子どもは大人をまちがえさせるのが大好きです。それに、問題をつくるには、その計算のしくみがわかっていなければなりません。
- 答えより「どう考えたの?」。答えが合っているかどうかより、「どうやって考えたの?」と聞くことのほうが大切です。学校では、さくらんぼ計算や筆算の唱え方など、決まった言葉で考え方を説明します。おうちの方のやり方を教える前に、お子さまに学校のやり方を教えてもらいましょう。いまの算数の教え方でもくわしく紹介しています。
- 無理をしない。疲れているときや気分が乗らないときは、やめておきましょう。また明日があります。
よくある質問
はい。数える、計算する、お金や時刻を扱う、長さやかさを量るなど、授業と同じ力を使いますし、「算数って何の役に立つの?」という疑問への答えにもなります。また、授業では図や式を使って自分の考えを説明する活動を大切にしています。家で「どう考えたか」を話す経験は、その力や文章題を解く力にもつながります。
まずは「どうやって考えたか教えて」と聞いてみてください。説明しているうちに、自分でまちがいに気づくことがよくあります。それでもわからないときは、本物の物を使ったり、数を小さくしたりして、いっしょにやり直してみましょう。
計算するときは、使わないほうがよいでしょう。頭の中で考えることに意味があります。ただ、答えが出たあとにスマートフォンの電卓で確かめるのは楽しいですし、よい習慣にもなります。
インディと練習しよう
Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。