単元ガイド
表とグラフ
データとは、知りたいことに答えるために集めた情報のことです。たとえば「クラスでいちばん人気の給食は何だろう?」と思ったら、みんなに聞いて集めた答えがデータになります。表やグラフはデータを整理して、答えや特徴がひと目でわかるようにするための道具です。学習指導要領では、この領域を「データの活用」といい、1年生から6年生まで毎年学びます。
学年ごとに学ぶこと
学校の算数は、文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にそって進みます。単元の順番や時期は教科書によって少し違います。
| 学年 | 学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数という教科はまだありません。おもちゃを色ごとに分けたり、どんぐりを大きさで分けたりして、それぞれの数をくらべる遊びが、データの学習の入り口です。 |
| 小学1年生 | 学習指導要領では、ものの数を「簡単な絵や図などに表したり、それらを読み取ったりすること」。果物や生き物の絵を、下をそろえて同じ間かくでならべた絵グラフをつくり、どれがいちばん多いか、いくつ違うかを読み取ります。 |
| 小学2年生 | 身の回りのものを仲間ごとに分けて数え、簡単な表と、○などをならべた簡単なグラフに表します。いちばん多いもの・少ないもの、何人多いかを読み取ります。 |
| 小学3年生 | 曜日や場所などの観点でデータを分けて表にまとめます。数えるときに「正」の字を使うことも多いです。棒グラフのかき方と読み方を学び、1目もりが2や5、20や50を表すグラフや、いくつかの棒グラフを組み合わせたグラフにもふれます。 |
| 小学4年生 | データを2つの観点で分類する二次元の表(けがをした場所と種類など)。落ちや重なりがないように調べることを学びます。気温の変わり方などを表す折れ線グラフ。教科書では、気温の折れ線グラフと降水量の棒グラフを組み合わせたグラフなども出てきます。 |
| 小学5年生 | 全体に対する割合を表す円グラフと帯グラフ(百分率と同じころに学びます)。いくつかの量をならして考える平均。目的に合わせてデータを集め、グラフを選んで結論を出す「統計的な問題解決」。 |
| 小学6年生 | 代表値(平均値・中央値・最頻値)とドットプロット。50 m走の記録などを区切って整理する度数分布表と柱状グラフ(階級)。出した結論が正しいかを、ふり返って考えること。起こり得る場合を、落ちや重なりがないように順序よく調べること(並べ方・組み合わせ)。 |
大切な考え方
1. データは「知りたいこと」から始まる
グラフは、きれいにかくこと自体が目的ではありません。どのグラフも、何かの問いに答えるためにかくものです。調べたいことを決め、データを集め、整理してグラフに表し、そこから答えを読み取る。そうすると、たいてい次の問いが生まれます。5・6年生では、この流れを「統計的な問題解決」として学びます。学習指導要領の解説では、「問題・計画・データ・分析・結論」という5つの段階で説明されています。家でも、「家の前を通る車は何色がいちばん多い?」のように、お子さま自身に問いを決めてもらうと、そのあとの数えることや整理することにも身が入ります。
2. 「正」の字で数える
数をかぞえながら記録するときは、よく「正」の字を使います。学級会で投票を数えるときなどにもおなじみです。1つ数えるごとに書き順どおり1画ずつ書き足していくので、「正」1つが5を表します。合計は5ずつ数えて、最後に残りの画をたします。「正」が3つと2画なら、5、10、15、16、17で17です。書き順があやふやだと数えまちがいのもとになるので、3年生ごろに家でも一度いっしょに確かめておくと安心です。
3. 落ちや重なりがないように表にまとめる
データを数えるときにいちばん多いまちがいは、数え忘れ(落ち)と、同じものを2回数えること(重なり)です。数えたものに印をつけていく、最後に合計がもとのデータの数と合うか確かめる、といった工夫を学校でも教わります。4年生では、2つの観点で分類する二次元の表を学びます。保健室のけがの記録を、けがをした場所と種類で整理するのは、教科書でもよく見かける例です。
| 場所 \ 種類 | すりきず | 切りきず | 打ぼく | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 校庭 | 9 | 1 | 4 | 14 |
| 体育館 | 2 | 0 | 5 | 7 |
| ろうか | 1 | 0 | 3 | 4 |
| 教室 | 0 | 3 | 2 | 5 |
| 合計 | 12 | 4 | 14 | 30 |
この表から、校庭でのすりきずがいちばん多いこと(9人)や、体育館では打ぼくが多いことが読み取れます。横の合計をたしても(14 + 7 + 4 + 5 = 30)、たての合計をたしても(12 + 4 + 14 = 30)、同じ30人になります。2つが合わなければ、どこかで落ちや重なりがあるということです。
4. まず「1目もりはいくつ?」を確かめる
1年生の絵グラフや2年生の○のグラフでは、絵や○の1つが1を表します。3年生の棒グラフになると、1目もりが1とは限りません。0と10のあいだが5つに区切られていれば1目もりは2、10に区切られていれば1目もりは1です。棒が10から3目もり上で終わっていたら、1目もりが2なら16、1なら13になります。グラフを読むときは、まず「1目もりはいくつ?」「単位は何?」から始めましょう。棒グラフをかくときは、棒を多い順にならべ、「その他」はいちばん最後にかく、と教わることが多いです。
グラフを見たら、3種類の質問をしてみてください。読む:「からあげが好きな人は何人?」くらべる:「カレーはあげパンより何人多い?」考える:「どうしてカレーが人気なのかな? ほかのクラスで調べても同じになるかな?」 3つ目の質問は、ふだん練習する機会がいちばん少ないものです。「どうしてそう思うの?」と聞いてみると、グラフをどこまで理解しているかがよくわかります。
5. 折れ線グラフは「変わり方」を表す(4年生)
折れ線グラフは、気温や体重のように、時間とともに変わっていく量を表すのに使います。点と点を線で結ぶのは、測っていないあいだも、気温はとぎれずに変わり続けているからです。10時30分には測っていなくても、気温は16度と19度のあいだくらいだったと考えられます。好きな給食の人数を折れ線で結ばないのは、「カレー」と「からあげ」のあいだには何もないからです。4年生では、線のかたむきから「急に上がった」「ゆるやかに下がった」「変わらない」を読み取ります。また、上のグラフのように、たての目もりのいらない部分を波線で省略して、変わり方を見やすくすることも学びます。
6. 円グラフと帯グラフは「割合」を表す(5年生)
ある学校の図書室で、1週間に借りられた本200冊を種類ごとに整理しました。それぞれの冊数が全体のどれだけにあたるかを百分率で表します。物語なら 80 ÷ 200 = 0.4 で40%です。
| 本の種類 | 冊数 | 百分率 |
|---|---|---|
| 物語 | 80 | 40% |
| 図かん | 50 | 25% |
| 科学の本 | 30 | 15% |
| 伝記 | 20 | 10% |
| その他 | 20 | 10% |
| 合計 | 200 | 100% |
多くの教科書では、円グラフはまわりに100等分の目もりがついた円を使い、真上から右回りに、割合の大きい順に区切ってかきます。帯グラフも、左から割合の大きい順に区切ります。どちらも「その他」は最後です。円グラフは全体の中の割合を見るのに向いていて、帯グラフはいくつかならべて、年ごとや学年ごとの割合の違いをくらべるのに向いています。割合の考え方そのものは小数と割合でくわしく紹介しています。
7. 平均は「ならす」こと、代表値は3つある(5・6年生)
平均(5年生)は、いくつかの量を同じ大きさになるようにならしたものです。合計 ÷ 個数で求めます。ゆいさんが月曜日から金曜日までに読んだ本のページ数が、18、25、0、21、16ページだったとします。合計は 18 + 25 + 0 + 21 + 16 = 80ページ。日数は5日なので、80 ÷ 5 = 16で、1日平均16ページです。水曜日は0ページでも、1日として数えます。高いところをけずって低いところをうめ、全部を同じ高さにならすイメージです。
6年生では、データ全体の特徴を1つの数で表す代表値として、平均値・中央値・最頻値の3つを学びます。データを数直線の上に点でならべたドットプロットもこのとき習います。
このデータでは、10冊借りた人が1人いるため、平均値が4冊に引き上げられています。でも、10人のうち6人は3冊以下で、平均値の4冊に届いていません。「ふつうはどのくらい?」を知りたいときは、中央値や最頻値のほうが実感に合うこともあります。6年生では、目的に合わせて代表値を選び、出した結論が本当に正しいかをふり返って考えることまで学びます。50 m走の記録のように、データを「8.0秒以上8.5秒未満」といった区間(階級)に区切って数える度数分布表と柱状グラフも、このとき学びます。
8. 起こり得る場合を順序よく調べる(6年生)
6年生では、並べ方や組み合わせが全部で何通りあるかを、落ちや重なりがないように調べます。あおいさん・いつきさん・うたさんの3人がリレーで走る順番は、1番目を決めると残りの並べ方が2通りずつあるので、3 × 2 = 6通りです。枝分かれした図(「樹形図」とよばれることもあります)や表にかくと、もれなく数えられます。4人になると24通りにふえます。一方、A・B・C・Dの4チームが総当たりで試合をするときは、「AとB」と「BとA」は同じ試合なので、AB、AC、AD、BC、BD、CDの6試合です。並べ方は順番を区別し、組み合わせは区別しない、という違いがポイントです。
つまずきやすいところ
- 1目もりを確かめない:1目もりが2や5のグラフで、目もりの線1本を1と数えてしまう。
- 「正」の字の数えまちがい:書き順があやふやで、途中の画が何を表すかわからなくなる。最後の残りの画をたし忘れる。
- 落ちや重なり:数え忘れたり、同じものを2回数えたりする。二次元の表で、たての合計と横の合計が合わない。
- 目もりのかき方がばらばら:グラフをかくとき、0、5、10、20を同じ間かくにかいてしまう。
- 何でも線で結ぶ:好きな給食や本の種類のように、あいだに何もないデータを折れ線グラフにしてしまう。
- 波線を見落とす:目もりの一部が省略された折れ線グラフで、変化を実際より大きく読んでしまう。
- 平均で0を数えない:18、25、0、21、16の平均を 80 ÷ 4 = 20 としてしまう。正しくは 80 ÷ 5 = 16です。
- 割合と量を取りちがえる:100人の30%は30人、50人の40%は20人です。割合が大きくても、全体の数が違えば人数が多いとは限りません。
家でできる5分のデータあそび
- 車の色しらべ。ドライブ中や窓から、次に通る30台の車の色を「正」の字で数えます。何色がいちばん多かった? 2番目とは何台違う?
- 家族アンケート。お子さまに質問を決めてもらいます(「好きなおにぎりの具は?」)。家族やおじいちゃん・おばあちゃんにも聞いて、○をならべたグラフにして冷蔵庫にはっておきましょう。
- 気温しらべ。1週間、毎日同じ時こくに、ベランダの温度計や天気予報で気温を確かめて記録します。折れ線グラフにすると、どの日に暖かくなったかがひと目でわかります。夏休みの自由研究にもなります。
- このグラフ、何がわかる?新聞やチラシ、天気予報、ニュースに出てくるグラフを見せて、「何を調べたグラフかな?」「このグラフからはわからないことは?」と聞いてみます。
- サイコロで平均(5・6年生)。サイコロを5回ふって、出た目の平均を求めます。もう一度やると、平均は同じくらいになるかな?
- アイスの組み合わせ(6年生)。4種類の味から違う味を2つ選ぶ選び方は何通り?(6通り)。上と下の順番も区別したら?(12通り)
インディのチャレンジインディが月曜日から金曜日までに訪ねた花の数は、12本、15本、9本、14本、10本だったよ。1日平均何本かな? 土曜日もがんばって、6日間の平均を13本にするには、土曜日に何本訪ねればいいかな? 答えを見る
5日間の合計は 12 + 15 + 9 + 14 + 10 = 60本なので、1日の平均は 60 ÷ 5 = 12本です。6日間の平均を13本にするには、6日間の合計が 13 × 6 = 78本になればよいので、土曜日は 78 − 60 = 18本訪ねればよいことになります。
表とグラフの無料プリント
家庭学習や授業でお使いください。どのプリントも、2ページ目に答えがついています。
棒グラフを読もう小学2年生, 小学3年生 · すきなくだものしらべPDFをダウンロードよくある質問
数を記録する方法として、3年生で表にまとめる学習をするころに多くの教科書で出てきます。「正」は5画なので、1つ数えるごとに1画ずつ書き足すと、「正」1つで5を表せます。合計は5ずつ数えて、残りの画をたします。
棒グラフは、好きな給食や本の種類のように、項目ごとの数の大きさをくらべるときに使います(3年生)。折れ線グラフは、気温や身長のように、時間とともに変わる量の変わり方を見るときに使います(4年生)。線のかたむきが急なほど、変わり方が大きいことを表します。
2、3、3、5、7というデータなら、平均値は合計を個数でわった数で 20 ÷ 5 = 4。中央値は小さい順にならべて真ん中にくる数で3。最頻値はいちばん多く出てくる数で3です。平均は5年生、3つの代表値は6年生で学びます。
5年生です。割合と百分率(%)を学ぶのと同じころで、全体を100%として、それぞれが何%にあたるかを表します。4年生までの棒グラフや折れ線グラフが「数の大きさ」を表すのに対して、円グラフと帯グラフは「全体の中の割合」を表します。
50 m走の記録や身長のように測って得られたデータを、「8.0秒以上8.5秒未満」のような区間(階級)に区切り、それぞれの人数を柱の高さで表したグラフです。区間が続いているので、柱と柱のあいだをあけずにかきます。6年生で学び、中学校ではヒストグラムとよばれます。
インディと練習しよう
Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。