単元ガイド
小数と割合
小数は、1に満たない「はした」の大きさを、小数点を使って整数と同じしくみで表した数です。2.5(にてんご)なら、2は1が2こ、5は0.1が5こで、「2と半分」という意味になります。割合は、もとにする量を1とみたときに、くらべる量がどれだけにあたるかを表した数です。もとにする量を100とみて表したものが百分率(%、パーセント)で、50%は「100のうちの50」、つまり半分のことです。分数・小数・百分率は、同じ大きさのちがう書き方。小学校を終えるころには、子どもたちはこれらを行き来できるようになっていきます。
日本の円には小数がないので、子どもたちが最初に小数と出会うのは、お金ではなくかさや長さの場面です。1 Lますに入りきらなかった水、15 cmと少しのテープ。そうした「はした」を表すために小数が必要になる、という流れで学んでいきます。
何年生で何を習う?
文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にもとづいてまとめました。単元の順番や細かい扱いは、教科書によって少しずつ違います。1・2年生では小数は出てきませんが、2年生で習うdL(デシリットル)やmmが、3年生の小数の土台になります。
| 学年 | 習うこと |
|---|---|
| 小学3年生 | 小数の意味と表し方。1 Lを10等分した1つ分(1 dL)を0.1 Lと表すように、はしたの大きさを小数で表します。小数点、1/10の位(小数第一位)、数直線に表した小数、0.1と10分の1(⅒)の関係。1/10の位までの小数のたし算・ひき算。 |
| 小学4年生 | 1/100の位、1/1000の位と、小数も整数と同じしくみでできていること。小数のたし算・ひき算の筆算。小数×整数、小数÷整数。整数÷整数で、商が小数になるわり算(わり進み)。「2.5倍」のように何倍かを小数で表すことと、簡単な場合の割合(もとにする大きさを1とみて、何倍かでくらべる考え方)。 |
| 小学5年生 | 小数点を移して、10倍、100倍、1/10、1/100の大きさの数をつくること。小数×小数、小数÷小数と、わり算のあまりの大きさ。分数と小数・整数の関係(⅗ = 0.6 など)。割合、百分率(%)、歩合(割・分・厘)。単位量あたりの大きさ(こみぐあいや1 mあたりのねだん)、割合を表す帯グラフと円グラフ。 |
| 小学6年生 | 小数や整数がまじった計算を、分数にそろえて計算すること(0.6 × ⅔ など)。比と比の値(2:3の比の値は⅔)。小数と割合の新しい内容は少なく、5年生までに学んだ割合が、比や比例の学習を支えます(くわしくは式・比・比例)。 |
大切な考え方
1. 小数は「はした」を表すために生まれる
3年生の教科書の多くは、水のかさから小数を始めます。1 Lますに入りきらなかった水を、1 Lを10等分した目もりではかると3つ分。この1つ分が0.1 L(れいてんいちリットル)で、3つ分は0.3 L、合わせて1.3 Lです。2年生で習った「1 L = 10 dL」を思い出すと、0.1 L = 1 dL、1.3 L = 13 dL ともいえます。長さも同じで、1 mm = 0.1 cm なので、4 cm 5 mm は4.5 cmです。
学校では、小数を「0.1がいくつ分」と考えることを大切にしています。1.3は0.1が13こ。こう考えると、0.8 + 0.5 も「0.1が8こと5こで13こ、だから1.3」と、整数のたし算と同じように計算できます。
2. 小数も位取りのしくみでできている
整数では、位が1つ左へ進むごとに10倍になりました。反対に、1つ右へ進むごとに10分の1(⅒)になります。このきまりは、一の位より右でも続きます。1を10等分した大きさが0.1(1/10の位)、0.1を10等分すると0.01(1/100の位)、0.01を10等分すると0.001(1/1000の位)です。小数点は、一の位と1/10の位のあいだにつける目じるしです。整数で学んだ位取りのしくみが、そのまま小数にも使われているのです。
読み方は「にてん さん なな ご」。小数点より下は「三百七十五」とまとめずに、数字を1つずつ読みます。それぞれの数字がどの位にあるのかを意識しやすい読み方です。
ここでよく出てくるのが、けた数が多いほうが大きいという思いこみです。0.45と0.5、どちらが大きいでしょう。「45のほうが5より大きいから0.45」と答える子は少なくありません。でも、0.5は0.1が5こ、0.45は0.1が4こと0.01が5こです。0.5を0.50と書き直すと、0.01が50こと45こになり、0.5のほうが大きいことがはっきりします。大きさをくらべるときは、小数点の位置をそろえて縦にならべ、上の位から順にくらべるのがこつです。数直線にかきこんでみるのもおすすめです。
3. 小数のたし算・ひき算と、10倍・1/10
小数のたし算・ひき算の筆算では、整数のときのように右はしをそろえるのではなく、小数点(位)をそろえて書きます。3.7 + 2.45 なら、3.7の7と2.45の4を同じ列にそろえて計算し、答えは6.15。答えの小数点は、上の小数点の位置にそろえてうちます。6 − 2.3 のように整数がまじるときは、6を6.0とみて計算します(答えは3.7)。2.6 + 1.4 = 4.0 のように答えの小数点より下が0になったときは、多くの教科書で、最後の0を斜線で消して答えを4とする書き方を習います。
ある数を10倍すると、それぞれの数字が1つ上の位に進みます。3.6 × 10 = 36。10でわる(1/10にする)と、1つ下の位に下がります。3.6 ÷ 10 = 0.36。100倍なら2つ、1000倍なら3つ位が上がり、あいた位には0を書きます。4.5 × 100 = 450。5年生では、これを「小数点が右に1けた移る」「左に1けた移る」と見ることも学びます。便利な見方ですが、本当に起きているのは、数字の位が変わることです。単位の関係も同じしくみで、2.5 m = 250 cm、1.5 L = 15 dL = 1500 mL となります。
4. 小数のかけ算・わり算
4年生は「小数×整数」と「小数÷整数」から始めます。2.4 × 3 は、0.1が24こ分の3倍なので、0.1が72こで7.2です。5年生になると、かける数やわる数も小数になります。
- 小数×小数:2.4 × 1.5 は、いったん整数とみて 24 × 15 = 360 と計算します。かけられる数とかける数の小数点より下のけた数は、合わせて2けた(1けた + 1けた)。積の右から2けたのところに小数点をうって3.60、つまり3.6です。
- 小数÷小数:わる数が整数になるように、わる数とわられる数の小数点を、同じけた数だけ右へ移します。5.4 ÷ 0.6 は 54 ÷ 6 と同じなので、答えは9です。
- あまりの小数点:7.4 ÷ 0.3 を 74 ÷ 3 として計算すると「24 あまり 2」になりますが、あまりの小数点は、もとのわられる数の小数点の位置にそろえます。正しくは「24 あまり 0.2」。たしかめ算 0.3 × 24 + 0.2 = 7.4 で確かめられます。
- わり進みと概数:4年生からは、10 ÷ 4 = 2.5 のように、わられる数に0をつけたしてわり進めます。10 ÷ 3 = 3.33… のようにわりきれないときは、「1/10の位までの概数で求めましょう」などの指示にしたがって四捨五入します(1/100の位の3を切り捨てて3.3)。
5年生でとくに大切なのが、1より小さい数をかけると、積はかけられる数より小さくなることです。1 mが120円のリボンを0.8 m買うと、120 × 0.8 = 96 で96円。「かけ算をすると答えは大きくなる」「わり算をすると小さくなる」と思いこんでいると、12 ÷ 0.5 = 24 に首をかしげることになります(12 Lのジュースを0.5 Lずつペットボトルに分けると、24本になります)。
円には小数がないため、家庭で小数に出会う場面は意外と限られています。おすすめは体温計です。「36.5度と37.2度、どちらが高い?」「いつもより0.7度高いね」と、毎朝の検温が小数の大きさくらべとひき算の練習になります。料理の計量カップ(200 mL = 0.2 L = 2 dL)、体重計の「32.4 kg」、ペットボトルの「1.5 L」も身近な小数です。5年生になったら、スーパーのチラシの「3割引」「20%オフ」や、お肉の「100 gあたり○円」の表示を、お子さまと一緒に見てみてください。
5. 割合は「もとにする量を1とみる」
割合は、小学校の算数のなかでも、つまずく子が多いことで知られる単元です。たとえば、ゴムAは20 cmが60 cmに、ゴムBは50 cmが100 cmにのびました。のびた長さはAが40 cm、Bが50 cmで、Bのほうが長くのびています。ところが、もとの長さをもとにすると、Aは3倍、Bは2倍。「のびる割合」はAのほうが大きいのです。4年生ではこのように「何倍か」でくらべることから割合の考え方に入り、5年生で割合を小数や百分率で表すようになります。
割合の式は、次の3つの形で使います。
- 割合 = くらべる量 ÷ もとにする量
- くらべる量 = もとにする量 × 割合
- もとにする量 = くらべる量 ÷ 割合
いちばんの山場は、どの数が「もとにする量」なのかを見きわめることです。「20本の60%」のように「〜の」がつく量が、もとにする量になることが多いです。クラスによって、テープ図、上のような2本の数直線、「く・も・わ」の図など、使う図はさまざまです。家で教えるときは、ノートを見せてもらったり担任の先生に聞いたりして、学校と同じ図を使うと混乱しにくくなります。
6. 百分率と歩合
割合の0.01を1%(1パーセント)と表すのが百分率です。もとにする量を100とみたとき、くらべる量がいくつにあたるかを表しています。割合を100倍すると百分率になり、0.35 = 35%、0.07 = 7%、1 = 100% です。10×10のます目で考えると、1ますが1%、1列が10%、全体が100%です。
日本では、割合を歩合でも表します。0.1が1割、0.01が1分、0.001が1厘です。野球の打率「3割2分5厘」は0.325、お店の「3割引」は30%引きのこと。教科書では少し紹介される程度ですが、ふだんの生活ではよく使われるので、家で話題にするとよいでしょう。
「〜の何%」を求めるときは、くらべる量 = もとにする量 × 割合 を使います。1,200円のTシャツが3割引なら、1200 × 0.3 = 360 で360円引き、代金は840円です。「残りは7割」と考えて 1200 × 0.7 = 840 としても、同じ答えになります。暗算では、求めやすい割合を組み合わせると便利です。
- 50%(5割)は半分。60の50%は30。
- 25%(2割5分)は4分の1(¼)。60の25%は15。
- 10%(1割)は10でわる。60の10%は6。
- 1%(1分)は100でわる。600の1%は6。
たとえば360の15%なら、10%が36、5%はその半分の18で、36 + 18 = 54。5・6年生では、消費税(10%)も問題の場面に出てきます。800円の本なら、税込みで 800 + 80 = 880円です。
7. 分数・小数・百分率・歩合は同じ大きさ
小学校を終えるころには、次の組み合わせがさっと思いうかぶと安心です。
| 分数 | 小数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|---|
| ½ | 0.5 | 50% | 5割 |
| ¼ | 0.25 | 25% | 2割5分 |
| ¾ | 0.75 | 75% | 7割5分 |
| ⅕ | 0.2 | 20% | 2割 |
| ⅖ | 0.4 | 40% | 4割 |
| ⅒ | 0.1 | 10% | 1割 |
| ¹⁄₁₀₀ | 0.01 | 1% | 1分 |
| ⅛ | 0.125 | 12.5% | 1割2分5厘 |
5年生では、分数を小数になおすには、分子を分母でわればよいことを学びます。8分の3(⅜)なら、3 ÷ 8 = 0.375。3分の1(⅓)は 1 ÷ 3 = 0.333… と3がどこまでも続くので、ぴったりの小数では表せません。
つまずきやすいところ
- けた数が多いほうが大きいと思う:0.45 > 0.5、0.125は0.2より大きい、と考えてしまう。0.01がいくつ分かでそろえると(45こと50こ)、ちがいがはっきりします。
- 筆算で右はしをそろえる:3.7 + 2.45 を、整数のように右はしをそろえて書いてしまう。小数のたし算・ひき算では、小数点をそろえるのがきまりです。
- 10倍で0をつけるだけ:3.6 × 10 = 3.60 としてしまう。数字が1つ上の位に進むので、答えは36です。
- 積や商の小数点の位置:2.4 × 1.5 を36や0.36としてしまう。計算の前に「2.4はおよそ2、1.5はおよそ2だから、答えは4くらい」と見積もっておくと、まちがいに気づけます。
- あまりの小数点:7.4 ÷ 0.3 を「24 あまり 2」としてしまう。正しくは「24 あまり 0.2」です。たしかめ算をする習慣が助けになります。
- もとにする量とくらべる量の取りちがえ:「20本中12本」で 20 ÷ 12 と計算してしまう。「入ったシュートの割合が1より大きくなるのは変だね」と、場面にもどって考えるよう声をかけてください。
- 3割を3%と思う:1割は10%なので、3割は30%です。上の表で、歩合と百分率を見くらべてみましょう。
- 0.3を3分の1だと思う:⅓は0.333…なので、0.3より少しだけ大きい数です。
家でできる5分の遊び
- 身長ならべ。家族の身長をmで書いてみましょう(132 cmなら1.32 m)。1.32 m、1.4 m、1.05 mの3人を、低い順にならべると?(1.4 mは1.40 mなので、1.05 m、1.32 m、1.4 mの順です。)
- かさ当てクイズ。給食の牛乳パック(200 mL)、ペットボトル(500 mL)、大きな牛乳パック(1 L)は、それぞれ何Lかな?(0.2 L、0.5 L、1 L。)dLでも言えたら、2年生の復習にもなります(2 dL、5 dL、10 dL)。
- チラシで割引探偵。スーパーのチラシや店頭で、「3割引」「20%オフ」「半額」を探します。2,500円のくつが20%オフならいくら?(10%が250円、20%が500円なので、2,000円。)
- 果汁は何mL?ジュースのパックに「果汁30%」とあったら、200 mLのうち果汁は何mLか考えます(200 × 0.3 = 60 で60 mL)。タブレットの電池の「40%」は、分数でいうと?(⅖。歩合なら4割。)
- 4枚そろえ。カードに ¼、0.25、25%、2割5分 のように、同じ大きさの分数・小数・百分率・歩合を書いて、神経衰弱のように4枚そろえます。
インディのチャレンジはちみつが2 L入ったびんがあるよ。その35%を使って、ハニーケーキを焼くんだ。使うはちみつは何mLかな?びんには何L残るかな? 答えを見る
2 L = 2000 mL。10%は200 mL なので、30%は600 mL、5%は100 mL。35%は 600 + 100 = 700 mL(0.7 L)です。式にすると、くらべる量 = もとにする量 × 割合 で、2 × 0.35 = 0.7(L)。びんに残るのは 2000 − 700 = 1300 mL、つまり1.3 L(13 dL)で、はちみつ全体の65%(6割5分)です。
小数と割合の無料プリント
家庭でも教室でも使えるように、印刷して使えるプリントを用意しました。どのプリントも、2ページ目に解答がついています。
分数を小数で表そう小学4年生, 小学5年生 · 10分のいくつ、100分のいくつを小数にPDFをダウンロード
百分率(%)の計算小学5年生, 小学6年生 · 10%、25%、50%などにあたる大きさを求めるPDFをダウンロードよくある質問
「れいてんにご」と読みます。小数点より下は、数字を1つずつ読みます。2は0.1が2こ、5は0.01が5こという意味で、学校では「0.01が25こ」と考えることもあります。
3年生(8〜9歳)で、1/10の位までの小数を習います。4年生で1/100の位、1/1000の位と小数×整数・小数÷整数、5年生で小数×小数・小数÷小数に進みます。割合と百分率(%)は5年生の内容です。
同じ大きさを、何をもとにして表すかのちがいです。もとにする量を1とみると割合(0.35)、100とみると百分率(35%)、割・分・厘で表すと歩合(3割5分)になります。
あります。100%はもとにする量と同じ大きさなので、150%はその1.5倍です。20の150%は30。上のゴムAのように3倍にのびたときは、300%になります。
同じ70%の予報が10回出されたら、そのうち7回くらいは雨(1 mm以上)が降る、という意味です。雨の量や、降る時間の長さを表しているわけではありません。割合が身近なところで使われている例として、話題にしてみてください。
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