単元ガイド
かけ算とわり算
かけ算は、同じ数ずつのまとまりがいくつあるかを数える計算です。4 × 3(「しかけるさん」と読みます)は「4こずつのまとまりが3つ分」のことで、4 + 4 + 4 = 12。わり算はその反対で、ある数を同じ数ずつに分ける計算です。12 ÷ 3 = 4 は「12わる3は4」と読みます。子どもたちは2年生で九九(くく)を覚え、3年生でわり算に出会い、そのあと大きな数の筆算へと進んでいきます。かけ算とわり算は、いつもセットで考えると理解が深まります。
学年ごとに学ぶこと
小学校で習う内容は、文部科学省の学習指導要領で学年ごとに決められています。どの時期にどの順番で習うかは、教科書や学校によって少しちがいます。
| 学年 | 主に学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数の授業はまだありません。おやつやおもちゃを同じ数ずつ分けたり、2つずつ数えたりする体験を、遊びや園の生活の中で重ねていきます。 |
| 小学1年生 | ものをいくつかずつまとめて数えたり(2ずつ、5ずつ、10ずつなど)、同じ数ずつに分けたりします。かけ算やわり算の式はまだ使いません。 |
| 小学2年生 | かけ算の意味(1つ分の数 × いくつ分)と記号「×」。九九を1 × 1から9 × 9まで覚えます。九九表のきまり(かける数が1ふえると答えはかけられる数ずつふえる、かける数とかけられる数を入れかえても答えは同じ)。九九を少しこえる2けた × 1けたのかけ算。わり算はまだ習いません。 |
| 小学3年生 | わり算の意味と記号「÷」。あまりのあるわり算(23 ÷ 4 = 5 あまり 3)。0のかけ算。2けた・3けた × 1けた・2けたのかけ算の筆算。69 ÷ 3 = 23 のような、わる数が1けたで商が2けたになるわり算。 |
| 小学4年生 | わる数が1けた・2けたの、わり算の筆算。「わられる数 = わる数 × 商 + あまり」でのたしかめ。わり算のきまり。小数 × 整数、小数 ÷ 整数。「和・差・積・商」という言葉。 |
| 小学5年生 | 小数 × 小数、小数 ÷ 小数。偶数と奇数。約数と倍数、最大公約数と最小公倍数。 |
| 小学6年生 | 分数 × 分数、分数 ÷ 分数と逆数。整数・小数・分数がまじった計算。 |
学年ごとのくわしい内容は、表の各学年のページをご覧ください。
大切な考え方
1. かけ算は「1つ分の数 × いくつ分」
2年生のかけ算は、「1さらに3こずつ、4さら分で何こ?」のような場面から始まります。式は 3 × 4 = 12。教科書では、3をかけられる数、4をかける数と呼びます。上の丸の図を横にたおすと、4こずつ3列が3こずつ4列になり、数は12こで変わりません。だから 4 × 3 = 3 × 4。入れかえても答えが同じになるこのきまりも2年生で学び、九九を覚えるときの大きな助けになります。
ひとつ知っておいていただきたいことがあります。多くのクラスでは、文章題の式を「1つ分の数 × いくつ分」の順に書く学習をします。答えの数は同じでも、式が場面をどう表しているかを考える学習だからです。ノートやテストに先生のコメントがあったときは、家で「どっちでもいいよ」と直してしまう前に、クラスでどう考えているのかを担任の先生に聞いてみてください。
2. 九九は1 × 1から9 × 9までの81こ
日本の九九は、1の段から9の段までの81こです。多くの学校では2年生の2学期に、段ごとに覚えていきます。5の段や2の段から始めることが多いですが、順番は教科書によってちがいます。「ににんがし(2 × 2 = 4)」「さざんがく(3 × 3 = 9)」「しちしちしじゅうく(7 × 7 = 49)」のように、リズムのある唱え方で覚えるのが日本の九九の特徴です。クラスでは、一人ずつ先生の前で唱える「九九の暗唱」に取り組むことが多く、カードにシールやスタンプをためていく学校もあります。これは全国共通のテストではなく、クラスでの練習です。
九九表には、覚える量をへらしてくれるきまりがたくさんあります。
- かける数が1ふえると、答えはかけられる数ずつふえます。3の段なら 3、6、9、12…と3ずつ。忘れた答えは、となりの答えから思い出せます。
- 入れかえても答えは同じなので、7 × 3を覚えれば3 × 7もわかります。81このうち、ちがう組み合わせは45こです。
- 4の段の答えは2の段の答えの2倍、8の段の答えは4の段の答えの2倍です。
- 9の段の答え(18、27、36、45、54、63、72、81)は、十の位と一の位をたすとどれも9になります。
2年生の終わりから3年生にかけては、九九を広げていきます。たとえば 4 × 12 は、12を10と2に分けて 4 × 10 = 40、4 × 2 = 8、合わせて48。この「分けて計算してあとでたす」考え方が、筆算につながっていきます。練習のアイデアは九九の練習ガイドにまとめました。
九九の練習は、週に一度長くやるより、毎日5分のほうが身につきます。お子さまが言いにくそうにしている九九を2つか3つ選び、たとえば「しちは ごじゅうろく(7 × 8 = 56)」「ろくは しじゅうはち(6 × 8 = 48)」を、お風呂や車の中、学校へ行く道で何度も言い合ってみてください。順番どおりに言えるようになったら、逆から、ばらばらに、と進めます。まだ言えない九九があっても大丈夫。言えた九九をいっしょに喜んであげてください。
3. わり算には2つの意味がある
3年生で習うわり算には、2つの場面があります。12このあめを3人で同じ数ずつ分けると、1人分は4こ。これは1人分がいくつになるかを求めるわり算です。12このあめを3こずつふくろに入れると、4ふくろできます。こちらはいくつに分けられるかを求めるわり算です(先生方は「等分除(とうぶんじょ)」「包含除(ほうがんじょ)」と呼びます)。どちらも式は 12 ÷ 3 = 4 です。
わり算の答え(商)は、九九で見つけます。56 ÷ 8 なら、わる数8の段で答えが56になるものを探して「はちしち ごじゅうろく」、だから7。わり算はかけ算の反対なので、九九がしっかりしていることがわり算の土台になります。
九九でぴったり分けられないときはあまりが出ます。23 ÷ 4 は、4 × 5 = 20 で3残るので、23 ÷ 4 = 5 あまり 3。あまりはいつも、わる数より小さくなります。3年生では0のかけ算も学びます。玉入れゲームで0点のところに3こ入ったら 0 × 3 = 0、3点のところに1こも入らなかったら 3 × 0 = 0 です。
4. かけ算の筆算(3年生)
大きな数のかけ算は、位をそろえてたてに書き、一の位から計算します。234 × 3 なら、「さんし 12、2を書いて1くり上げる。さざんが 9、くり上げた1をたして10、0を書いて1くり上げる。さにが 6、1をたして7」で、答えは702です。
かける数が2けたになると、計算を2回してからたします。234 × 23 では、まず 234 × 3 = 702。次に 234 × 2 = 468 ですが、この2は十の位の2(20)なので、468は1けた左にずらして書きます。日本の筆算では、このとき一の位に0は書きません。最後に 702 と 4680 をたして、5382 になります。
5. わり算の筆算(4年生)は「たてる・かける・ひく・おろす」
4年生のわり算の筆算は、多くの子どもにとって、小学校の算数の大きな山場のひとつです。わる数を左に、わられる数をその右に書き、商はわられる数の上に書きます。そして「たてる → かける → ひく → おろす」の4つの手順をくり返します。857 ÷ 4 なら、「8 ÷ 4 で2をたてる。4 × 2 = 8 を書く。8 − 8 = 0。5をおろす。5 ÷ 4 で1をたてる。4 × 1 = 4。5 − 4 = 1。7をおろして17。17 ÷ 4 で4をたてる。4 × 4 = 16。17 − 16 = 1」と進めます。
答えは 857 ÷ 4 = 214 あまり 1。4年生では「わられる数 = わる数 × 商 + あまり」のたしかめ算も学びます。4 × 214 + 1 = 856 + 1 = 857 で、正しいことがわかります。あまりが0のときは「わりきれる」、あまりが出るときは「わりきれない」と言います。
わる数が2けたになると、商の見当をつけるのがむずかしくなります。91 ÷ 27 なら、「90 ÷ 20 と考えて4」と仮の商をたてますが、27 × 4 = 108 は91より大きいので、商を1小さくして3にします。27 × 3 = 81、91 − 81 = 10 で、91 ÷ 27 = 3 あまり 10。仮の商をたてて直すのは、まちがいではなく大切な手順です。
文章題では、あまりをどうするかを考えます。30人が1そうに4人ずつボートに乗ると、30 ÷ 4 = 7 あまり 2。残った2人も乗るので、ボートは8そういります。色紙26まいを1人に3まいずつ配ると、26 ÷ 3 = 8 あまり 2 で、配れるのは8人。残りの2まいでは、もう1人分になりません。
6. 5・6年生:小数と分数、約数と倍数
5年生では小数のかけ算・わり算を学びます。7.2 ÷ 2.4 は、わる数とわられる数の小数点をどちらも1けた右に移して、72 ÷ 24 = 3 と考えます。1より小さい数をかけると答えはもとの数より小さくなり(80 × 0.5 = 40)、1より小さい数でわると答えはもとの数より大きくなる(6 ÷ 0.5 = 12)ことにも、ここで出会います。
同じ5年生で、倍数と約数も習います。6の倍数は6の段の答えで、6、12、18、24…と続きます。12の約数は12をわりきれる数で、1、2、3、4、6、12。学校では身の回りの場面で考えます。ゆいさんは4日ごと、はるとさんは6日ごとに図書室へ行きます。今日いっしょになったら、次にいっしょになるのは12日後。12は4と6の最小公倍数です。いちごあめ12こと、レモンあめ18こを、あまりが出ないように同じ数ずつふくろに分けると、いちばん多くて6ふくろ(1ふくろにいちご2こ、レモン3こ)。6は12と18の最大公約数です。なお、素数は中学1年生で学びます。
6年生では分数のかけ算・わり算に進みます。分数でわるときは、わる数の逆数をかけます。たとえば 3分の2(⅔) ÷ 4分の3(¾) = ⅔ × ⁴⁄₃ = ⁸⁄₉。くわしくは分数と小数と割合のページで説明しています。
つまずきやすいところ
- 九九の言いまちがい:6の段、7の段、8の段は、似た音が多くまちがえやすい段です。「しちろく しじゅうに(7 × 6 = 42)」と「しちは ごじゅうろく(7 × 8 = 56)」のように、まちがえやすい組を声に出してくらべると区別しやすくなります。
- かけ算の筆算で2だん目をずらさない:234 × 23 の468を702の真下にそろえてしまうと、702 + 468 = 1170 となり、正しい5382から大きくはずれます。十の位をかけた答えは1けた左から書きます。
- 商に0をたてわすれる:824 ÷ 4 で、2をおろすと「2 ÷ 4 は0」。この0を商に書かないと、答えが206ではなく26になってしまいます。たしかめ算をすると 4 × 26 = 104 で、824にならないので気づけます。
- あまりがわる数より大きい:30 ÷ 4 = 6 あまり 6 は、あまりの6の中にまだ4が入るのでまちがいです。正しくは 7 あまり 2。
- 10倍は「0をつける」と覚えている:25 × 10 = 250 では使えても、2.5 × 10 は25で、2.50ではありません。10倍すると、それぞれの数字が1つ上の位に移ります。小数では「小数点を右に1けた移す」と学びます。
家でできる5分の遊び
- かけ算さがし。家の中で、同じ数ずつならんだものを探します。卵のパックが2列に5こずつなら 5 × 2 = 10。チョコレートの板や、ます目のノートでも見つかります。
- 九九の言い合いっこ。おうちの方が「しちさん?」と言ったら、お子さまが「にじゅういち!」。役を交代して、おうちの方がわざとまちがえるのも盛り上がります。
- おやつを分けよう。ミカンの房やクッキーを、家族で同じ数ずつ分けます。何こずつになったかな? あまりはいくつかな?
- 九九カードで神経衰弱。「6 × 4」のような式のカードと「24」のような答えのカードを作って裏返し、式と答えがそろったらもらえます。
- 答えから九九さがし。「答えが24になる九九は?」と聞きます。3 × 8、4 × 6、6 × 4、8 × 3 の4つ。答えが36なら、4 × 9、6 × 6、9 × 4 の3つです。
インディのチャレンジインディは、はちみつクッキーを87まい焼いて、1箱に6まいずつ入れるよ。6まい入った箱は何箱できるかな? クッキーを全部箱に入れるには、箱はいくついるかな? 答えを見る
87 ÷ 6 = 14 あまり 3。6 × 14 = 84 で、87 − 84 = 3 だからです。たしかめ算は 6 × 14 + 3 = 87。6まい入った箱は14箱できて、クッキーが3まいあまります。全部を箱に入れるには15箱いります。最後の箱に入るのは3まいです。
かけ算とわり算の無料プリント
家庭学習にも授業にも使えるプリントです。どのプリントも、2ページ目に答えがついています。
九九:2の段・5の段と10のかけ算小学2年生, 小学3年生 · 九九のまぜ問題と、九九をこえるチャレンジ問題PDFをダウンロード
九九:3の段・4の段・8の段小学2年生, 小学3年生 · 九九のまぜ問題と、九九をこえるチャレンジ問題PDFをダウンロード
九九表を広げよう小学2年生, 小学3年生 · 12 × 12までのかけ算表をうめるPDFをダウンロード
わり算:九九で答えを見つけよう小学3年生, 小学4年生 · 九九を使うわり算と、チャレンジ問題PDFをダウンロード
かけ算の筆算(3けた × 1けた)小学3年生 · 3けたの数に1けたの数をかける筆算PDFをダウンロードよくある質問
ありません。九九は2年生で学び、クラスで先生が一人ずつ暗唱を聞いたり、計算テストで確かめたりします。小学校で全国一斉に行われるテストは6年生の全国学力・学習状況調査で、これも成績には関係しません。くわしくは算数のテストと評価をご覧ください。
9の段までです。日本の九九は1 × 1から9 × 9までの81こで、10の段や11の段、12の段は覚えません。10 × 4 や 12 × 3 のような計算は、九九を広げる考え方や、3年生で習う筆算を使って求めます。
答えの数は同じです。ただ、多くのクラスでは文章題の式を「1つ分の数 × いくつ分」の順で書き、式が場面をどう表しているかを考える学習をしています。テストの採点が気になるときは、クラスでの考え方を担任の先生に聞いてみてください。
わる数と商をかけて、あまりをたします。それがわられる数と同じになれば正解です。たとえば 857 ÷ 4 = 214 あまり 1 なら、4 × 214 + 1 = 857 で、正しいことがわかります。
インディと練習しよう
Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。