単元ガイド
図形
図形は、ものの形や大きさ、位置について考える算数の分野です。小学校では、三角形や四角形、円のような平面の図形と、箱の形やボールの形のような立体を学びます。辺や頂点、角を調べて図形の特徴を見つけ、定規やコンパス、分度器を使って正しくかけるようになります。高学年では、合同、拡大図・縮図、線対称・点対称など、図形どうしの関係も学びます。
学年ごとに学ぶこと
学校の算数は、文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にそって進みます。図形は「B 図形」という領域にまとめられていて、1年生から6年生まで毎年学びます。4年生からは、面積や体積、角の大きさもこの領域に入ります。単元の順番や時期は教科書によって少し違います。
| 学年 | 学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数という教科はまだありません。積み木や空き箱で遊んだり、折り紙を折ったりする中で、「まる」「さんかく」「しかく」の形や、「ころがる」「積める」といった特徴に気づいていきます。「上」「下」「前」「うしろ」など、位置を表す言葉も遊びの中で使います。 |
| 小学1年生 | 身の回りのものを「はこの形」「つつの形」「ボールの形」などに仲間分けし、積んだり転がしたりして特徴をつかみます。色板や数え棒で「さんかく」「しかく」の形をつくったり、分けたりします。「前後・左右・上下」の言葉で、ものの位置を表します(「左から3番目、上から2だん目」)。 |
| 小学2年生 | 3本の直線で囲まれた三角形と、4本の直線で囲まれた四角形。辺と頂点、紙を折ってつくる直角。長方形・正方形・直角三角形を、ます目を使ってかきます。箱の形の面・辺・頂点を調べ、ひごとねんど玉で箱の形をつくります。 |
| 小学3年生 | 二等辺三角形と正三角形、その角の大きさの特徴。角という言葉。円(中心・半径・直径)と球。コンパスで円をかいたり、長さを写し取って三角形をかいたりします。 |
| 小学4年生 | 直線の平行と垂直、三角定規を使った引き方。台形・平行四辺形・ひし形と対角線。立方体・直方体と、その見取図・展開図。平面や空間でのものの位置の表し方。角の大きさを回転の大きさとしてとらえ、分度器で度(°)をはかります。面積(cm²、m²)もこの学年からです。 |
| 小学5年生 | 合同な図形。三角形の3つの角の和は180°、四角形の4つの角の和は360°。正多角形を円を使ってかき、プログラミングでかく学習もします。円周率(3.14)。角柱・円柱(底面・側面)。三角形や平行四辺形の面積、体積も学びます。 |
| 小学6年生 | 拡大図・縮図と縮尺。線対称・点対称な図形(対称の軸、対称の中心)。円の面積と、角柱・円柱の体積。身の回りのものの形を図形に見立てて、およその面積を求めます。 |
大切な考え方
1. 「かたち」の仲間分けから、図形の名前へ
1年生の図形は、名前を覚えることより、形の特徴に気づくことから始まります。空き箱や缶、ボールを集めて、「積める形」「転がる形」「どちらもできる形」に分けてみると、はこの形・つつの形・ボールの形のちがいが手でわかります。色板をならべて家や魚の形をつくったり、1つの形を小さな三角形に分けたりする活動も、のちの面積や合同の土台になります。
2年生になると、図形を言葉で決めるようになります。「3本の直線で囲まれた形」が三角形、「4本の直線で囲まれた形」が四角形です。まわりの直線を辺、かどの点を頂点といいます。辺が曲がっていたり、すき間があいていたりする形は、三角に見えても三角形ではありません。紙を2回折ってできるかどの形を直角といい、4つのかどがすべて直角の四角形が長方形、そのうち4つの辺の長さもすべて等しいものが正方形です。
図形の名前には、辺の数がそのまま入っています。辺が5本なら五角形、6本なら六角形、8本なら八角形。直線で囲まれたこうした図形をまとめて多角形といいます。
2. 三角形と四角形の仲間
3年生では辺の長さに目を向け、4年生では辺の平行と垂直に目を向けて、三角形と四角形をくわしく見分けます。2本の直線が交わってできる角が直角のとき、その2本は垂直です。1本の直線に垂直な2本の直線は平行で、どこまでのばしても交わりません。4年生では、1組の三角定規をすべらせて、平行な線や垂直な線を引く練習をします。
| 図形 | 特徴 | 習う学年 |
|---|---|---|
| 直角三角形 | 1つの角が直角 | 2年 |
| 二等辺三角形 | 2つの辺の長さが等しい(2つの角の大きさも等しい) | 3年 |
| 正三角形 | 3つの辺の長さがすべて等しい(3つの角の大きさも等しい) | 3年 |
| 長方形 | 4つの角がすべて直角 | 2年 |
| 正方形 | 4つの角がすべて直角で、4つの辺の長さがすべて等しい | 2年 |
| 台形 | 向かい合った1組の辺が平行 | 4年 |
| 平行四辺形 | 向かい合った2組の辺がどちらも平行 | 4年 |
| ひし形 | 4つの辺の長さがすべて等しい | 4年 |
向かい合った頂点を結んだ直線を対角線といいます。4年生では、四角形の対角線の長さや交わり方をくらべます。たとえば、ひし形と正方形の2本の対角線は垂直に交わり、長方形と正方形の対角線は長さが等しくなります。
辺の長さがすべて等しく、角の大きさもすべて等しい多角形を正多角形といいます(5年)。正三角形や正方形、インディの巣の正六角形がそうです。正方形ではないひし形は、辺の長さがすべて等しくても角の大きさがそろっていないので、正多角形ではありません。正方形ではない長方形も、角はそろっていますが辺の長さがそろっていないので、正多角形ではありません。
3. 円と球、そして正六角形
3年生では、コンパスを使って円をかきます。円の真ん中の点が中心、中心から円のまわりまでの直線が半径、中心を通って円のまわりからまわりまで引いた直線が直径です。1つの円では半径はみな同じ長さで、直径は半径の2倍になります。ボールのように、どこから見ても円に見える形を球といいます。球をちょうど半分に切ると、切り口がいちばん大きな円になります。
3年生でよく出る問題に、「直径6 cmのボール3こが、箱にぴったり1列に入っています。箱の内側の長さは?」があります。答えは 6 × 3 = 18 cm。問題に半径(3 cm)が書かれていたら、まず2倍して直径(6 cm)を出すのがポイントです。
5年生では、円のまわりの長さ(円周)が、どんな大きさの円でも直径の約3.14倍になることを学び、この数を円周率といいます。直径10 cmの円の円周は 10 × 3.14 = 31.4 cm です。また、上の図のように円を使って正多角形をかきます。中心のまわりの360°を6等分すれば正六角形、8等分すれば正八角形です。
4. 角と角度
1つの頂点から出ている2本の辺がつくる形を角といいます(3年)。角の大きさは、辺の開き具合で決まり、辺の長さには関係ありません。3年生では、三角定規の角どうしを重ねて、どちらが大きいかをくらべます。
4年生では、角の大きさを回転の大きさとしてとらえ、単位度(°)を使って表します。1回転は360°、半回転は180°、直角は90°で、直角4つ分で1回転です。1組の三角定規の角は、30°・60°・90°と、45°・45°・90°。2枚を組み合わせると、45° + 30° = 75° や 60° + 45° = 105° などの角もつくれます。
分度器ではかるときは、分度器の中心を角の頂点にぴったり合わせ、0°の線を1本の辺に重ねて、その0°から目もりをたどってもう1本の辺のところを読みます。分度器には内側と外側の2つの目もりがあるので、50°の角を130°と読んでしまうのがいちばん多いまちがいです。はかる前に「直角より小さい?大きい?」と見当をつける習慣があると、自分で気づけます。180°より大きい角は、180° + 30° = 210° のように半回転にたしたり、360° − 150° = 210° のように1回転からひいたりして求めます。
どんな形の紙切れでも、半分に折り、できた折り目どうしがぴったり重なるようにもう一度折ると、かどが直角になります。この「直角チェッカー」を持って、家の中のかどを調べてみましょう。本の表紙、ドア、テーブルのかどは直角?ハンガーやはさみの角は、直角より大きい?小さい?「直角」という言葉を、家の中でもたくさん使ってみてください。
5年生では、図形の角について、はからなくてもわかる性質を見つけます。三角形の3つの角を切り取って1か所に集めると一直線になるので、三角形の3つの角の和は180°です。2つの角が50°と70°なら、残りの角は 180° − (50° + 70°) = 60° です。四角形は対角線で2つの三角形に分けられるので、4つの角の和は 180° × 2 = 360°。多くの教科書では同じ考え方で、五角形は三角形3つで540°、六角形は三角形4つで720°と広げていきます。
5. 箱の形から角柱・円柱へ
2年生で箱の形を調べ、4年生で直方体(長方形だけ、または長方形と正方形で囲まれた形)と立方体(正方形だけで囲まれた形)を学びます。立体のたいらなところを面、面と面の境の線を辺、かどの点を頂点といいます。立体を切り開いて平面に広げた図が展開図で、立方体の展開図は全部で11種類あります。5年生では角柱と円柱を学び、上下の向かい合った面を底面、まわりの面を側面と呼びます。
| 立体 | 面の数 | 辺の数 | 頂点の数 | 身の回りの例 |
|---|---|---|---|---|
| 立方体 | 6 | 12 | 8 | さいころ |
| 直方体 | 6 | 12 | 8 | ティッシュペーパーの箱 |
| 三角柱 | 5 | 9 | 6 | 積み木の三角の形 |
| 四角柱 | 6 | 12 | 8 | お菓子の箱(直方体も四角柱の仲間) |
| 六角柱 | 8 | 18 | 12 | けずる前の六角形のえんぴつ |
表をたてに見ると、きまりが見つかります。□角柱の面の数は □ + 2、辺の数は □ × 3、頂点の数は □ × 2 です。円柱(缶やラップのしん)は、2つの円の底面と、曲がった1つの側面でできています。角すいや円すい(ピラミッドやとんがり帽子の形)は、中学1年生で学びます。
6. 合同、拡大図・縮図、対称な図形
5年生では、ぴったり重ね合わせることができる2つの図形を合同といいます。裏返して重なる場合も合同です。6年生では、形を変えずに大きくした拡大図と、小さくした縮図を学びます。対応する角の大きさはそれぞれ等しく、対応する辺の長さはどれも同じ倍率になります。辺が3 cm、4 cm、5 cmの三角形の2倍の拡大図は、辺が6 cm、8 cm、10 cmで、角の大きさは変わりません。地図の「2万5千分の1」も縮図の考え方で、地図上の4 cmは、実際には 4 × 25000 = 10万 cm、つまり1 kmです。
6年生では対称な図形を学びます。1本の直線で二つ折りにしたとき、両側がぴったり重なる図形が線対称な図形で、その直線を対称の軸といいます。ある点のまわりに180°回転させたとき、もとの形にぴったり重なる図形が点対称な図形で、その点を対称の中心といいます。多くの教科書では、これまでに習った図形を表にまとめて調べます。
| 図形 | 線対称(対称の軸の数) | 点対称 |
|---|---|---|
| 二等辺三角形 | ○(1本) | × |
| 正三角形 | ○(3本) | × |
| 長方形 | ○(2本) | ○ |
| 正方形 | ○(4本) | ○ |
| 平行四辺形 | × | ○ |
| ひし形 | ○(2本) | ○ |
| 正六角形 | ○(6本) | ○ |
| 円 | ○(中心を通る直線なら何本でも) | ○ |
つまずきやすいところ
- 向きが変わると別の形だと思う:正方形をななめに置くと「正方形じゃなくなった」と言うことがあります。4つの角は直角のまま、4つの辺も等しいままなので、正方形です。図形は向きを変えても名前は変わりません。
- いつもの向きでしか見分けられない:底辺が下にある三角形しか三角形だと思わない。さかさま、ななめ、細長い図形も見せてあげてください。
- 三角に見えれば三角形だと思う:辺が曲がっている形や、すき間があいている形は三角形ではありません。「3本の直線で囲まれているかな?」と確かめます。
- 辺が長いほど角が大きいと思う:角の大きさは開き具合で決まります。辺を長くかいても、角の大きさは変わりません。
- 分度器の目もりの読みちがい:内側と外側の目もりを取りちがえて、50°を130°と読んでしまう。
- 半径と直径の取りちがえ:「半径4 cmの円をかきましょう」で、コンパスを8 cmに開いてしまう。
- 長方形の対角線を対称の軸だと思う:紙の長方形を対角線で折ると、両側は重なりません。実際に折ってみるのがいちばんです。
家でできる5分の図形あそび
- 形さがし。台所や子ども部屋で、はこの形・つつの形・ボールの形を集めます(ティッシュの箱、ラップのしん、みかん)。2年生以上なら、お菓子の箱の面・辺・頂点の数をいっしょに数えてみましょう。
- 切り紙。折り紙を二つ折りにして、折り目のほうから形を切り取って広げます。折り目が対称の軸になり、線対称な形ができます。四つ折りにすると軸が2本になります。
- 箱を開いて展開図。空き箱を辺にそって切り開き、平らに広げます。もう一度組み立てられるかな?立方体の展開図の11種類さがしに挑戦するのもおすすめです。
- 色板・タングラム。算数セットの色板(多くは直角二等辺三角形の形です)や、紙でつくったタングラムで、お題の形をつくります。2枚の三角形で正方形、4枚で大きな三角形もつくれます。
- ロボットの道案内。お子さまがロボットに命令を出し、おうちの方がロボット役になります。「まっすぐ4歩、右に90°回って2歩」。「まっすぐ進んで右に90°回る」を4回くり返すと、正方形の形に歩けます。5年生のプログラミングの学習にもつながります。
インディのチャレンジインディの巣の部屋は正六角形で、中心から頂点に線を引くと、6つの正三角形に分けられるよ。正六角形の1つの角は何度かな? そして、巣の中では1つの点に3つの部屋の角が集まっているよ。3つの角を合わせると何度になるかな? 答えを見る
正三角形の1つの角は 180° ÷ 3 = 60° です。正六角形の1つの角には、正三角形の角が2つ集まっているので、60° × 2 = 120°。(六角形の角の和720°を6でわっても、720° ÷ 6 = 120° です。)1つの点に3つの角が集まると、120° × 3 = 360°。ちょうど1回転なので、すき間も重なりもなく、ぴったりならびます。正五角形だと1つの角は 540° ÷ 5 = 108°。3つで324°なのですき間ができ、4つでは432°で重なってしまいます。正三角形(60° × 6 = 360°)や正方形(90° × 4 = 360°)もすき間なくならびますが、正五角形ではならびません。
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図形の名前と辺・頂点小学2年生, 小学3年生 · 三角形、四角形、六角形などの名前と、辺と頂点の数PDFをダウンロードよくある質問
算数の考え方では、そうです。長方形は「4つの角がすべて直角の四角形」で、正方形もこの条件を満たしているので、正方形は長方形の特別な場合といえます。ただ、2年生では「4つの辺の長さもすべて等しい」ものを正方形として区別して習うので、形の名前を聞かれたら、よりくわしい名前の「正方形」と答えます。4年生では、正方形がひし形や平行四辺形の性質ももっていることを考える教科書もあります。
コンパスは3年生で、円をかいたり、長さを写し取って二等辺三角形や正三角形をかいたりするときに使い始めます。分度器は4年生で、角の大きさの単位「度(°)」を習うときから使います。三角定規は、低学年でも直角を調べるのに使うことがあり、4年生では平行や垂直な線を引くのに使います。
どんな大きさの円でも、円周の長さは直径の約3.14倍になるからです。5年生では、いろいろな円の直径と円周をはかって、このことを確かめます。本当は3.14159…とどこまでも続く数ですが、小学校では3.14を使って計算します。「π(パイ)」という記号は中学校で習います。
線対称は、1本の直線(対称の軸)で二つ折りにすると、両側がぴったり重なる図形です。点対称は、1つの点(対称の中心)のまわりに180°回転させると、もとの形にぴったり重なる図形です。長方形や正方形は両方、正三角形は線対称だけ、平行四辺形は点対称だけです。どちらも6年生で学びます。
角すいや円すいは、中学1年生で学びます。小学校の立体は、1年生の「はこ・つつ・ボールの形」から始まり、3年生の球、4年生の立方体・直方体、5年生の角柱・円柱までです。
Beequation Kidsのハニカムパズルも、インディの巣と同じ六角形のマスでできています。
インディと練習しよう
Beequation Kidsでは、計算の練習がハニカムパズルになります。お子さまがつまずいたときは、ミツバチのインディがヒントを出します。広告なし、データ収集なし。