単元ガイド
分数
分数は、もとの大きさを同じ大きさに分けたうちの、いくつ分かを表す数です。下の数を分母(ぶんぼ)といい、いくつに分けたかを表します。上の数は分子(ぶんし)といい、そのうちのいくつ分かを表します。たとえば、ケーキを同じ大きさに4つに分けたうちの3つ分は「4分の3(¾)」です。
学年ごとに学ぶこと
学校の算数は、文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にそって進みます。分数は2年生で顔を出し、3年生から本格的に学び、6年生の分数のかけ算・わり算で小学校の学習がひと区切りになります。単元の順番や時期は教科書によって少し違います。
| 学年 | 主に学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数という教科はまだありません。おやつを同じ数ずつ分けたり、パンを「半分こ」したりする遊びや生活の中で、「同じに分ける」感覚が育ちます。 |
| 小学1年生 | 分数はまだ習いません。ものを同じ数ずつ分けたり、長さやかさをくらべたりする学習が、のちの分数の土台になります。 |
| 小学2年生 | 学習指導要領では「½,⅓など簡単な分数について知ること」。紙やテープを折って½、¼、⅛をつくり、「もとの大きさの半分」「半分の半分」と考えます。教科書によっては、12このおはじきの½や⅓も扱います。 |
| 小学3年生 | 同じ大きさに分けた大きさや、はんぱな長さを分数で表します(⅓ mなど)。「分母」「分子」という言葉を習い、⅗は⅕の3こ分のように単位分数のいくつ分で考えます。分母が同じ分数の簡単なたし算・ひき算(⅖ + ⅕ = ⅗)。数直線で⅒と0.1を結びつけます。 |
| 小学4年生 | 1より大きい分数と、真分数・仮分数・帯分数(⁷⁄₄ = 1¾)。½ = ²⁄₄ = ³⁄₆ のような大きさの等しい分数に気づきます。帯分数をふくむ、分母が同じ分数のたし算・ひき算(1⅗ + ⅘ = 2⅖)。 |
| 小学5年生 | 約分と通分。分母がちがう分数の大きさくらべと、たし算・ひき算(½ + ⅓ = ⅚)。わり算の答えを分数で表すこと(2 ÷ 3 = ⅔)。分数を小数に、小数や整数を分数に直すこと(¾ = 0.75)。 |
| 小学6年生 | 整数との計算もふくめた分数のかけ算・わり算(⅔ × ⅘ = ⁸⁄₁₅)と逆数。わり算は、わる数の逆数をかけて計算します(⅔ ÷ ¾ = ⅔ × ⁴⁄₃ = ⁸⁄₉)。小数と分数がまじった計算も学びます。 |
分数の読み方と書き方
日本語では、分数を分母から先に読みます。⅔は「3分の2」、⅝は「8分の5」、⁵⁄₁₂は「12分の5」です。「3つに分けたうちの2つ」という意味の順番どおりなので、読み方そのものが分数の意味を表しています。½は「2分の1」で、ふだん言う「半分」と同じ大きさです。
ノートに書くときは、まず横線を引き、次に分母、最後に分子を書くように教わることが多いです。帯分数(たいぶんすう)の1⅔は「1と3分の2」と読みます。仮分数(かぶんすう)の⁵⁄₃と同じ大きさです。
大切な考え方
1. 同じ大きさに分ける
子どもは、どんな切れはしでも「半分」と呼びがちです。家でも「大きいほうの半分がいい!」という声をよく聞きますね。折り紙を折ったり、ホットケーキを切り分けたりしながら、「どの部分も同じ大きさかな?」とたずねてみてください。大きさのちがう2つに切ったものは、2分の1ずつにはなっていません。
2. 分数は「単位分数のいくつ分」
⅕や⅛のように、分子が1の分数を単位分数といいます。3年生では、⅗を「⅕が3こ分」と考えます。この見方ができると、分母が同じ分数のたし算は、整数のたし算と同じになります。⅖ + ⅕ は「⅕が2こと1こで3こ」なので⅗です。ひき算も同じで、⅘ − ⅕ は「⅕が4こから1こ取って3こ」なので⅗です。
⅒が10こ集まると1になります。数直線にならべると、⅒は小数の0.1と同じ場所にあることがわかります。分数と小数は、同じ大きさの別の書き方です。
3. 「何の」分数かを考える
分数には、「½ m」のように長さやかさそのものを表す使い方と、「2 mの½」のようにもとにする大きさの何分の1かを表す使い方があります。½ mは1 mを2等分した1つ分なので、いつも50 cmです。ところが「2 mの½」は1 mで、もとのテープが長くなれば、その½も長くなります。
ピザでも同じです。大きいピザの½は、小さいピザの½より大きくなります。分数はいつも「何かの」分数です。おはじき12この⅓(4こ)を考えるのも、6年生で 12 × ¾ = 9 と計算するのも、この「もとにする大きさ」の考え方です。
4. 分母が大きいほど、1つ分は小さい
8は4より大きいので、⅛は¼より大きいと考える子がたくさんいます。同じケーキを8人で分けると、4人で分けるより1人分が小さくなることを、実際に見せるのがいちばんです。大きさくらべには2つの目安があります。分母が同じなら、分子が大きいほうが大きい(⅗ > ⅖)。分子が同じなら、分母が小さいほうが大きい(¼ > ⅛)。分母も分子もちがうときは、5年生で習う通分を使ってくらべます。
5. 大きさの等しい分数、約分と通分
4年生では、このように図や数直線を使って、大きさの等しい分数があることに気づきます。5年生になると、そのきまりを言葉にします。分母と分子に同じ数をかけても、同じ数でわっても、分数の大きさは変わりません(½ = ²⁄₄ = ³⁄₆)。分母と分子を同じ数でわって、分母の小さい分数にすることを約分といいます(⁶⁄₈ = ¾)。分母がちがう分数を、大きさを変えずに同じ分母にそろえることを通分といいます(⅔ = ⁸⁄₁₂、¾ = ⁹⁄₁₂)。
分数のたし算では、分母はたしません。¼ + ¼ は「¼が2こ」なので²⁄₄(約分すると½)で、²⁄₈ではありません。お子さまが「4分の1と4分の1で、4分の1が2こ」と声に出して言ってみると、まちがいに自分で気づけることがよくあります。「1こと1こで2こ」と同じだね、と声をかけてあげてください。
6. 分母がちがう分数の計算と、分数のかけ算・わり算
分母がちがう分数は、1つ分の大きさがちがうので、そのままではたせません。5年生では、通分して1つ分の大きさをそろえてから計算します。½ + ⅓ は、どちらも6分のいくつに直して、³⁄₆ + ²⁄₆ = ⅚。¾ − ⅙ なら、12分のいくつにそろえて ⁹⁄₁₂ − ²⁄₁₂ = ⁷⁄₁₂ です。
5年生では、分数とわり算の関係も学びます。2 Lのジュースを3人で同じに分けると、1人分は 2 ÷ 3 = ⅔ Lです。わり算の答えは、分数を使えばいつも1つの数で表せます。逆に、分数は分子 ÷ 分母で小数に直せます(¾ = 3 ÷ 4 = 0.75)。⅓ = 0.333…のように小数ではぴったり表せない数も、分数なら表せます。小数とのつながりは小数と割合でくわしく紹介しています。
6年生では、分数のかけ算とわり算を学びます。かけ算は分母どうし、分子どうしをかけます(⅔ × ⅘ = ⁸⁄₁₅)。とちゅうで約分すると計算が楽になります(⅚ × ⅗ = ½)。わり算は、わる数の分母と分子を入れかえた逆数をかけます(⅔ ÷ ¾ = ⅔ × ⁴⁄₃ = ⁸⁄₉)。
つまずきやすいところ
- 同じ大きさに分けていない:大きさのちがう2つを「半分」と呼んでしまう。
- 分母が大きいほど大きいと思う:⅛ > ¼ と考えてしまう。
- 分母どうしもたしてしまう:⅓ + ⅓ = ²⁄₆ と書いてしまう(正しくは⅔)。
- 「½ m」と「2 mの½」の取りちがえ:2 mのテープを3等分した1つ分を「⅓ m」と答えてしまう。正しくは 2 ÷ 3 = ⅔ mです。
- 帯分数のひき算:3⅕ − 1⅗ のように分子からひけないとき、1をくずして 2⁶⁄₅ − 1⅗ = 1⅗ とする「くり下がり」に戸惑う。仮分数に直して ¹⁶⁄₅ − ⁸⁄₅ = ⁸⁄₅ = 1⅗ と計算する方法もあります。
- 約分のし忘れ:5年生で約分を習ったあとも、答えが⁴⁄₈のままになっている。多くの学校では、約分できる答えは約分して書くように教わります。
家でできる5分の遊び
- ケーキの切り分け係。誕生日のホールケーキやピザを、家族みんなが同じ大きさになるように切る方法をお子さまに考えてもらいます。4人なら1人分は¼。「おばあちゃんが来て5人になったら?」と聞くと、1人分が小さくなること(⅕)が実感できます。
- 折り紙で分数づくり。折り紙を半分に折り、もう一度半分に折ります。広げると部屋はいくつ? 1つ分は何分の1? 3回折ると⅛になります。色をぬって「8分の3」などをつくってみましょう。
- のり巻きとカステラ。1本を同じ大きさに8切れに切ったら、1切れは⅛。3切れ食べたら⅜、残りは⅝です。
- 牛乳パックとペットボトル。500 mLのペットボトルは1 Lの½、給食の牛乳200 mLは1 Lの⅕です。冷蔵庫の中にも分数がかくれています。
- どっちが大きい?紙に分数を2つ書いて、どちらが大きいかいっしょに考えます。迷ったら、テープの図をかいてくらべてみてください。
インディのチャレンジインディは朝、ハチの巣の部屋の⅖にはちみつをためて、午後にさらに⅕にためたよ。まだ空いている部屋は、全体の何分の何かな? 答えを見る
朝と午後で ⅖ + ⅕ = ⅗ の部屋がうまりました。全体の1は⁵⁄₅なので、空いている部屋は ⁵⁄₅ − ⅗ = ⅖(5分の2)です。もし部屋が全部で20こなら、⅕は 20 ÷ 5 = 4こなので、空いている部屋は 4 × 2 = 8こになります。
分数の無料プリント
家庭学習や授業でお使いください。どのプリントも、2ページ目に答えがついています。
色をぬったのは何分の何?小学3年生 · ½、⅓、¼などを図で見るPDFをダウンロード
ある数の何分の何小学5年生, 小学6年生 · 20の¾のように、ある数の½や¾にあたる大きさを求めるPDFをダウンロード
大きさの等しい分数小学4年生, 小学5年生 · □にあてはまる数を見つけるPDFをダウンロードよくある質問
2年生で、紙やテープを折るなどして、½や⅓、¼などの簡単な分数にふれます。「分母」「分子」という言葉を習って本格的に学ぶのは3年生からです。4年生で帯分数・仮分数と大きさの等しい分数、5年生で約分・通分と分母がちがう分数のたし算・ひき算、6年生で分数のかけ算・わり算を学びます。
真分数は⅗のように分子が分母より小さく、1より小さい分数です。仮分数は⁷⁄₄や⁴⁄₄のように分子が分母と等しいか大きく、1と等しいか1より大きい分数です。帯分数は1¾のように整数と真分数を合わせた形です。⁷⁄₄と1¾は同じ大きさで、4年生で習います。
どちらも分数の大きさを変えずに形を変えることです。約分は、分母と分子を同じ数でわって、分母の小さい分数にすること(⁶⁄₈ = ¾)。通分は、分母がちがう分数を同じ分母にそろえること(⅔と¾なら⁸⁄₁₂と⁹⁄₁₂。くらべると¾のほうが大きい)。どちらも5年生で学びます。
4年生で習う「わられる数とわる数に同じ数をかけても、商は変わらない」というきまりを使うと説明できます。⅔ ÷ ¾ で、両方に⁴⁄₃をかけると、わる数は ¾ × ⁴⁄₃ = 1 になります。わられる数は ⅔ × ⁴⁄₃ = ⁸⁄₉ なので、⅔ ÷ ¾ = ⁸⁄₉ ÷ 1 = ⁸⁄₉。結局、わる数の逆数をかけたのと同じになります。
Beequation Kidsには分数の世界「ぶんすうのもり」があり、お子さまが迷ったときはインディがヒントを出していっしょに考えます。
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