単元ガイド
式・比・比例
式は、場面や数量の関係を、数や記号を使って短く表したものです。1年生の「3 + 2 = 5」も、りっぱな式です。2年生から3年生にかけて、わからない数を□で表すようになり、6年生ではその□がxやaなどの文字になります。中学校の数学で習う方程式(ほうていしき)への入り口です。
比例や比は、2つの量がともなって変わるようすを調べ、くらべる学習です。学習指導要領では、4年生から「変化と関係」という領域にまとめられ、ともなって変わる量、5年生の単位量あたりの大きさや速さ、割合、そして6年生の比と比例・反比例へとつながっていきます。このページでは、式の学習と「変化と関係」をまとめて紹介します。
学年ごとに学ぶこと
学校の算数は、文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にそって進みます。式の学習は1年生から少しずつ積み重ねられ、比例や割合は4年生からの「変化と関係」で本格的に学びます。単元の順番や時期は、教科書によって少し違います。
| 学年 | 学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数という教科はまだありません。「赤・青・赤・青」のように色や形をならべる遊びや、おやつを同じ数ずつ分ける体験が、きまりを見つける力や「同じ」の感覚の土台になります。 |
| 小学1年生 | たし算・ひき算の場面を式に表し、「しき」と「こたえ」を書きます。+、−、=の記号を習い、式を見てお話をつくることもします。多くの教科書では、2とび・5とび・10とびで数えたり、数のならび方のきまりを見つけたりします。 |
| 小学2年生 | 学習指導要領では、式に( )や□を使ってもよいとされています。たし算とひき算の関係をテープ図で考え、□ + 6 = 15 のような問題に取り組みます。たす順番を入れかえても、まとめてたしても答えは同じというきまりや、九九表の「かける数が1ふえると、答えはかけられる数だけふえる」きまりも学びます。 |
| 小学3年生 | わからない数を□で表して場面を式にし(□ + 15 = 40)、□にあてはまる数を求めます。かけ算・わり算の場面でも使います(□ × 4 = 32)。かけ算のきまり(入れかえる、まとめる、分けて計算する)も学びます。 |
| 小学4年生 | いくつかの計算がまじった式の計算の順序と( )の使い方。公式(長方形の面積 = たて × 横)。□と△を使って2つの量の関係を表します(まわりが20 cmの長方形なら、たて□ cmと横△ cmで □ + △ = 10)。ともなって変わる2つの量を表や式、折れ線グラフに表してきまりを見つけます。「何倍か」でくらべる簡単な割合も学びます。 |
| 小学5年生 | 簡単な比例。2つの量の関係を式に表します(正方形の1辺の長さ × 4 = まわりの長さ)。単位量あたりの大きさ(1さつあたりのねだん、人口密度)、速さ(時速・分速・秒速)、割合と百分率。 |
| 小学6年生 | 文字を使った式(x × 4 = 60)。比(2:3、比の値、等しい比)。比例と反比例を表・式・グラフで調べ、問題を解くのに使います。拡大図・縮図も、比の考え方とつながっています。 |
大切な考え方
1. 「=」は「左と右が同じ大きさ」
3 + 4 = 7 を「3たす4は7」と読むので、子どもは「=」を「答えはこれ」という合図だと思いがちです。3 + 4 = 7 ならそれでもうまくいきますが、7 = 3 + 4 や 6 + □ = 4 + 5 のような式になると、とまどってしまいます。「=」は、てんびんのように左と右がつり合っているしるしです。4 + 5 は9なので、6 + □ も9にならなければいけません。だから□は3です。
2. わからない数を□にして、場面を式に表す
「どんぐりを何こか持っていました。公園で15こ拾ったので、全部で40こになりました。はじめに何こ持っていたでしょう。」3年生では、わからない数を□にして、お話の順番どおりに □ + 15 = 40 と式に表します。□を求めるときに役に立つのがテープ図です。
テープ図を見ると、□は全体の40から15をひいた残りだとわかります。40 − 15 = 25 で、はじめは25こ。お話は「拾った(ふえた)」なのに、□を求める計算はひき算になるのがポイントです。同じように、□ × 4 = 32 なら、わり算で 32 ÷ 4 = 8 と求めます。答えが出たら□に入れて、25 + 15 = 40、8 × 4 = 32 と式が正しくなるかをたしかめます。
家で計算の問題を出すときは、「=」を「左と右は同じ大きさ」と読んでみてください。そして、ときどき 10 = 4 + □ のように、答えが左にくる式も出してみましょう。いつも右側に答えを書く式しか見ていないと、形が変わっただけで手が止まってしまうことがあります。てんびんの絵をかいて「両方が同じ重さになるのは?」と聞くのも効果的です。
3. 計算の順序と公式(4年生)
4年生では、いくつかの計算がまじった式の計算の順序を学びます。きまりは3つです。ふつうは左から順に計算する。かけ算・わり算は、たし算・ひき算より先に計算する。( )があるときは、( )の中を先に計算する。
「500円玉を出して、1さつ120円のノートを2さつ買いました。おつりはいくらでしょう。」これを1つの式にすると 500 − 120 × 2 です。かけ算を先にして 500 − 240 = 260 で、おつりは260円。左から順に 500 − 120 = 380、380 × 2 = 760 と計算してしまうと、出したお金よりおつりのほうが多くなってしまいます。また、1こ80円のりんごと1こ40円のみかんを1組にして3組買うなら、(80 + 40) × 3 = 360 で360円。( )が「1組分」というまとまりを表しています。
言葉や記号を使って、いつでも使える形にまとめた式を公式といいます。たとえば「長方形の面積 = たて × 横」。たて4 cm、横7 cmの長方形なら、4 × 7 = 28 で28 cm²です。5年生では三角形や平行四辺形の面積、6年生では円の面積(半径 × 半径 × 3.14)の公式を学びます。
4. ともなって変わる2つの量と、比例・反比例
4年生では、一方が変わるともう一方も変わる、ともなって変わる2つの量を調べます。たとえば、正方形の1辺の長さと、まわりの長さ。表にすると、きまりが見えてきます。
横に見ても、たてに見ても、きまりがあります。たてのきまりを式にすると「1辺の長さ × 4 = まわりの長さ」。この式があれば、表にない1辺10 cmのときも、10 × 4 = 40 で40 cmと、すぐに見通せます。6年生では、文字を使って y = 4 × x と書きます。
このように、一方が2倍、3倍…になると、もう一方も2倍、3倍…になる関係を比例といいます。5年生で簡単な場合を学び、6年生では「y = きまった数 × x」という式や、0の点を通る直線のグラフで表します。水そうに毎分3 Lずつ水を入れるとき、5分で15 L、10分で30 L入るのも比例です。1日に12ページずつ本を読むときの、読んだ日数とページ数(5日で60ページ、10日で120ページ)も比例です。
6年生では、一方が2倍、3倍…になると、もう一方が2分の1(½)、3分の1(⅓)…になる反比例も学びます。面積が24 cm²の長方形なら、たてが1 cmのとき横は24 cm、2 cmのとき12 cm、3 cmのとき8 cm。たて × 横 はいつも24です。
5. 文字を使った式(6年生)
6年生では、□や△のかわりにxやaなどの文字を使います。「同じ長さのテープを4本つなぐと60 cmになりました。1本の長さは何cmでしょう。」1本の長さをx cmとすると、x × 4 = 60。xは 60 ÷ 4 = 15 で、1本は15 cmです。
文字は、いろいろな数の代わりにもなります。1本x円のえんぴつを5本買ったときの代金は x × 5(円)。xが80なら 80 × 5 = 400 で400円、xが100なら500円です。1つの式で、どんなねだんの場合もまとめて表せるのが、文字を使うよさです。なお、小学校では x × 5 のように「×」を書きますが、中学校では 5x と書くようになります。x × 4 = 60 のような式を決まった手順で解く方程式は、中学1年生で学びます。
6. くらべ方を考える:割合、単位量あたり、速さ
4年生では、差ではなく「何倍か」でくらべる考え方に出会います。ゴムAは20 cmが60 cmまで、ゴムBは10 cmが40 cmまでのびました。のびた長さはAが40 cm、Bが30 cmですが、もとの長さの何倍になったかで見ると、Aは 60 ÷ 20 = 3 で3倍、Bは 40 ÷ 10 = 4 で4倍。よくのびるのはBです。この見方が、5年生の割合と百分率につながります(くわしくは小数と割合で紹介しています)。
5年生の単位量あたりの大きさは、「1つあたり」にそろえてくらべる考え方です。ノート3さつで360円のセットと、5さつで550円のセット。1さつあたりにすると、360 ÷ 3 = 120 で120円、550 ÷ 5 = 110 で110円なので、5さつのセットのほうが1さつ10円安くなります。人口密度(1 km²あたりの人数)も同じ考え方です。
速さは、1時間や1分など、決まった時間あたりに進む道のりで、「速さ = 道のり ÷ 時間」で求めます。はるとさんが家から駅までの960 mを12分で歩いたとすると、960 ÷ 12 = 80 で分速80 m。1時間(60分)では 80 × 60 = 4800 m 進むので、時速4.8 kmです。
7. 比で表す、比で分ける(6年生)
酢(す)を大さじ2、油を大さじ3の割合でまぜてドレッシングをつくるとき、酢と油の量の割合を「2:3」と書き、「2たい3」と読みます。これが比です。2 ÷ 3 = ⅔ を比の値といいます。2:3、4:6、6:9 は、どれも比の値が⅔で、同じ味になります。このような比を等しい比といい、両方の数に同じ数をかけても、同じ数でわってもつくれます。酢を50 mL使うなら、50は2の25倍なので、油も3の25倍で75 mLです。
では、同じ味のドレッシングを全部で200 mLつくるには、酢と油を何mLずつまぜればよいでしょう。ここでもテープ図が活やくします。
酢が2つ分、油が3つ分なので、全体は5つ分。1つ分は 200 ÷ 5 = 40 で40 mL。酢は 40 × 2 = 80 mL、油は 40 × 3 = 120 mLです。80 + 120 = 200、80:120 の両方を40でわると2:3にもどるので、答えが正しいことがたしかめられます。
比は、料理の分量を変えるときにも使えます。4人分のカレーを6人分にするなら、人数の比は 4:6 = 2:3。いったん2人分(÷ 2)にしてから3倍(× 3)すると、数がきれいなままで計算できます。
| 材料 | 4人分 | 2人分(÷ 2) | 6人分(× 3) |
|---|---|---|---|
| ぶた肉 | 300 g | 150 g | 450 g |
| じゃがいも | 2こ | 1こ | 3こ |
| 水 | 800 mL | 400 mL | 1200 mL(1.2 L) |
6年生の拡大図・縮図も同じしくみです。2倍の拡大図では、すべての辺の長さが2倍になり、角の大きさは変わりません。たて3 cm、横5 cmの長方形の2倍の拡大図は、たて6 cm、横10 cmになります。
つまずきやすいところ
- 「=」を「答えは」だと思う:4 + 5 = □ + 2 の□に、9と書いてしまう(正しくは7)。
- □を求める計算をまちがえる:□ − 9 = 7 で、9 − 7 = 2 としてしまう。□は「9をひくと7になる数」なので、7 + 9 = 16 です。
- 計算の順序を守らない:100 − 30 × 2 を左から計算して140としてしまう。かけ算が先なので、100 − 60 = 40 です。
- 比と全体の割合を取りちがえる:酢:油 = 2:3 のとき、酢は全体の⅔だと思ってしまう。全体の5つ分のうちの2つ分なので、⅖(5分の2)です。
- 分量を「たし算」でふやす:4人分を6人分にするとき、どの材料にも2ずつたしてしまう。人数が1.5倍になるので、材料もすべて1.5倍にします。
- なんでも比例だと思う:Tシャツ1枚が2時間でかわくなら、3枚いっしょに干しても6時間かかるわけではありません。年れいと身長も比例しません。
家でできる5分の遊び
- コップの下はいくつ?おはじきやあめ玉を10こ出して、何こかをコップでかくし、かくれた数を当ててもらいます。「見えているのは6こだから、コップの下は4こ」。全部の数を15こ、20こにふやせば、上の学年でも楽しめます。
- ある数あてクイズ。「ある数に5をたしたら12になりました。ある数は?」(答えは7)。慣れてきたら、お子さまに問題を出してもらいましょう。「ある数を3倍して2をたしたら20」(答えは6)のような2段階の問題もおすすめです。
- きまり当てゲーム。お子さまが数を言い、おうちの方は心の中で「2倍して1をたす」計算をして、答えだけを言います。3なら7、5なら11。どんなきまりか、先に見つけたほうの勝ちです。言った数と答えを表にメモすると、きまりが見つけやすくなります。
- めんつゆの比。ラベルに「めんつゆ1:水3」と書いてあったら、全部で400 mLつくるには何mLずつ? 全体は4つ分なので1つ分は100 mL。めんつゆ100 mL、水300 mLです。料理のたびに、分量を2倍や半分にする計算もいっしょにしてみましょう。
- 歩く速さをはかろう。家から公園やコンビニまで歩いた時間をはかり、地図で道のりを調べて、分速を計算します。800 mを10分なら分速80 m。走ったときや自転車のときともくらべてみると、速さのちがいが実感できます。
インディのチャレンジインディは、つまようじでハチの巣の部屋(正六角形)を横一列にならべてつくるよ。となりの部屋とは、辺を1本いっしょに使うよ。1部屋なら6本、2部屋なら11本、3部屋なら16本。10部屋つくるには、つまようじは何本いるかな? 答えを見る
はじめの部屋は6本。次からは、となりの部屋と1本いっしょに使うので、1部屋ふえるごとに5本ずつふえます。10部屋なら、ふえる部屋は9つなので、6 + 5 × 9 = 6 + 45 = 51本です。式にすると「つまようじの数 = 5 × 部屋の数 + 1」で、5 × 10 + 1 = 51。6年生なら、部屋の数をxとして 5 × x + 1 と表せます。なお、これは比例ではありません。2部屋で、1部屋の2倍の12本ではなく11本だからです。
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□にあてはまる数小学3年生, 小学4年生 · □を使った式で、わからない数を求めるPDFをダウンロードよくある質問
xやaなどの文字を使った式は6年生で学びます。ただ、その考え方は早くから始まっています。2年生で( )や□を使ってよいことになり、3年生でわからない数を□で表して式にし、4年生で□と△を使って2つの量の関係を表します。中学校では、これが方程式や文字式の学習につながります。
比は、2:3 のように2つの量の割合を「:」を使って表したものです。比の値は、前の数を後ろの数でわった数で、2:3 なら 2 ÷ 3 = ⅔ です。4:6 も比の値は⅔なので、2:3 と4:6 は等しい比です。どちらも6年生で学びます。
表を作って、一方を2倍、3倍にしてみます。もう一方も2倍、3倍になれば比例(y = きまった数 × x)、½、⅓になれば反比例(x × y = きまった数)です。毎分3 Lずつ水を入れる時間と水の量は比例、面積が24 cm²の長方形のたてと横は反比例です。どちらでもない関係もたくさんあります。
公式を覚えるより先に、「1分あたり何m進むか」という意味を、実際の場面で確かめるのがおすすめです。家から公園まで歩いた道のりと時間で分速を出したり、時速60 kmの車は1分で1 km進むことを話したりしてみてください。「は・じ・き」のような図で覚える方法もありますが、学校での扱いはクラスによって違うので、まずは学校のノートのやり方に合わせてあげましょう。
インディと練習しよう
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