単元ガイド
数と位取り
数えるとは、数を順番に唱えながら、数えるもの1つに数を1つずつ対応させていくことです。位取りとは、同じ数字でも、どの位に置かれているかによって表す大きさが変わる、というしくみのことです。333には3が3つありますが、百の位の3は300、十の位の3は30、一の位の3は3を表しています。くり上がりのある筆算も、九九の先のかけ算も、小数も、この2つの考え方の上に成り立っています。
学年ごとに学ぶこと
学校の算数は、文部科学省の小学校学習指導要領(2017年告示、2020年度から全面実施)にもとづいています。年長は幼稚園教育要領・保育所保育指針の「環境」にそった遊びの中での体験です。単元の順番や細かな進め方は、教科書によって少し違います。
| 学年 | 主に学ぶこと |
|---|---|
| 年長 | 算数の授業やテストはありません。お手伝いや遊びの中で、ものを10くらいまで数えたり、もっと先まで唱えたりします(「おふろで100まで」はよく見られる家庭の習慣です)。0〜9の数字を読む、どちらが多いかをくらべる、といった体験を重ねます。 |
| 小学1年生 | 1つずつ線で結んで多い・少ないをくらべること、ものの数や「何番目」を数えること。多くの教科書では、1学期に20まで、そのあと100まで、さらに120くらいまで進みます。10のまとまりで数を見ること、一の位・十の位、数直線。 |
| 小学2年生 | 4けたの数(千の位)と1万。2300は100を23こ集めた数、のように、十や百をひとまとまりと見る考え方。数直線の1目もりを読むこと。記号 >、< を使って大小を表すこと(「不等号」という名前は3年生で習います)。 |
| 小学3年生 | 万の単位(一万の位から千万の位まで)と1億。ある数を10倍・100倍・1000倍した数や、10分の1(⅒)にした数。そろばんで数を表すこと。 |
| 小学4年生 | 億・兆の単位と、十進位取り記数法の理解を深めること。大きな数を3けたごとにカンマで区切る書き方にもふれます。概数と四捨五入、計算の見積もり、以上・以下・未満という言葉。 |
| 小学5年生 | 偶数・奇数。約数・倍数(公約数、公倍数、最大公約数、最小公倍数。くわしくはかけ算とわり算へ)。小数点を動かして10倍、100倍、10分の1、100分の1の数をつくること。 |
| 小学6年生 | 新しく習う数の単元はありません。大きな数や概数を、ほかの単元やデータの読み取りの中で使います。0より小さい数(負の数)は、中学1年生の数学で学びます。 |
大切な考え方
1. 数えることは、数を唱えることとは違う
「いち、に、さん…」と100まで言える子でも、ものを正しく数えられるとはかぎりません。本当に数えるには、1つのものに数を1つずつ対応させ、同じものを2回数えないこと、最後に言った数が「全部でいくつ」になること、どの順番で数えても答えは変わらないこと、の3つがわかっている必要があります。階段やボタン、おはじきをいっしょに数えたら、最後に「じゃあ、全部でいくつ?」と聞いてみてください。もう一度はじめから数え直すようなら、最後の数が全体の数になることを、まだつかみきれていないのかもしれません。
1年生では、「前から3人」(3人全部)と「前から3人目」(3人目の1人)の違いも学びます。また、日本語ではものを数えるときに「3こ」「3本」「3まい」「3びき」のように数え方の言葉(助数詞)がつき、算数の答えにも「こたえ 5ひき」と書きます。「いっぽん、にほん、さんぼん」と音が変わるので、数えるのに時間がかかる子もいます。
2ずつ数える「に、し、ろ、や、とお」も、昔からある数え方です。こうして出てくる2、4、6、8…の数は、5年生で「偶数」という名前で習います。
2. 10集まったら、1つ上の位へ
わたしたちが使う数字は、0から9までの10こです。10こしかないのにどんな大きな数も書けるのは、10集まると1つ上の位に進むきまりがあるからです。ばらが10こで10のまとまりが1つ、10が10こで100、100が10こで1000。学習指導要領ではこのしくみを「十進位取り記数法」と呼んでいます。
教室では、算数セットのブロックや数え棒(10本ずつ輪ゴムでたばねて使うことがあります)、一の位・十の位・百の位の部屋に分かれた「位取り表」がよく使われます。1年生のクラスによっては100玉そろばん、3・4年生ではそろばんも登場します。そろばんは1本のけたが1つの位になっていて、位取りが目に見える道具です。1円玉・10円玉・100円玉も、位取りのしくみを考えるのにぴったりの教材です。
0にも大切な役目があります。405の0は「十の位には何もない」ことを表し、4を百の位にとどめています。0がなければ、405は45になってしまいます。
位取りは、手でさわれるものにすると身につきやすくなります。ストローや割りばしを10本ずつ輪ゴムでたばね、10たばを大きなたばにすると100です。ばらの10本を1たばに取りかえることは、2年生の筆算で「十の位に1くり上げる」ことそのものです。1円玉10枚を10円玉1枚に両替する遊びも同じしくみです。家でも「10が3こと1が4こで34」のように、学校と同じ言い方を使うと、お子さまが混乱しにくくなります。
3. 「100がいくつ分」で数を見る
2年生からは、数をいろいろなまとまりで見ることを学びます。2300は100を23こ集めた数です。100円玉23枚で2300円、と考えるとわかりやすいでしょう。3年生では、ある数を10倍すると位が1つ上がって右に0が1つつき、10でわる(10分の1にする)と位が1つ下がることを学びます。350を10倍すると3500、100倍すると3万5000、10でわると35です。この見方は、5年生で小数点を動かして10倍や100分の1の数をつくる学習につながっていきます。
4. 大きな数は4けたごとに区切って読む
日本語の数は、一・十・百・千のくり返しです。千の次は一万・十万・百万・千万、その次は一億・十億・百億・千億、さらに一兆と、4けたごとに新しい単位が出てきます。読むときは、右から4けたずつ区切るのがコツです。
一方、新聞の記事やお店の値段では、12,345,678や1,280円のように3けたごとにカンマを打つ書き方がよく使われます。これは世界で広く使われている書き方で、4年生でふれます。カンマは3けたごと、読み方は4けたごとなので、子どもが混乱しやすいところです。読むときはカンマにまどわされず、右から4けたずつ区切りましょう。ちなみに、英語のニュースに出てくる billion(ビリオン)は、日本語では「10億」です。
5. 大きさくらべは上の位から、数直線は1目もりを確かめて
2つの数をくらべるときは、まずけた数を見ます。けた数が同じなら、いちばん上の位からくらべます。5309と5290は、どちらも千の位が5ですが、百の位は3と2なので、5309のほうが大きくなります。2年生で習う記号(不等号)を使うと 5309 > 5290 です。不等号は、口の開いているほうに大きい数がくる、と覚えると迷いません。
数直線は、数の大きさや順番を目で見るための道具で、1年生から使います。学年が上がると、1目もりが10、100、1000、1万の数直線が出てきます。よくあるまちがいは、1目もりの大きさを確かめずに「1目もり=1」と思いこんでしまうことです。まず「0から○までがいくつに分かれているか」を数えるくせをつけましょう。
6. 概数と四捨五入(4年生)
「市の人口は約4万9000人」のように、だいたいの数を概数(がいすう)といいます。概数にするときによく使うのが四捨五入で、名前のとおり、1つ下の位の数字が0〜4なら切り捨て、5〜9なら切り上げます。3482を四捨五入すると、十の位までの概数なら3480、百の位までの概数なら3500、千の位までの概数なら3000です。人口48,627人を四捨五入して千の位までの概数にすると、百の位が6なので切り上げて49,000人になります。
ここで、教科書に出てくる言い方の違いに注意が必要です。「百の位までの概数にする」ときは、1つ下の十の位を見て四捨五入します。ところが「百の位で四捨五入する」ときは、百の位そのものを見ます。3482なら、前者は3500、後者は3000。また「上から2けたの概数」という言い方もあり、3482なら3500です。
4年生では、以上・以下・未満という言葉も習います。「5以上」「5以下」は5をふくみ、「5未満」は5をふくみません。四捨五入して十の位までの概数にしたときに350になる整数は、345以上354以下(345以上355未満とも言えます)です。
概数の問題では、まず問題文の「〜の位までの概数」「〜の位で四捨五入」「上から〜けた」に線を引き、四捨五入するために見る位に小さく印をつけてから計算するよう声をかけてみてください。考え方がわかっていても、見る位を1つまちがえて点を落とすことがよくある単元です。
つまずきやすいところ
- 聞いたとおり、漢数字のとおりに書く:「三百四」を3004、「千二十」を100020と書いてしまう(正しくは304、1020)。1年生では「じゅうに」を102と書く子もいます。
- 0を書き忘れる:「四百五」を45、「五千七」を57や507と書いてしまう(正しくは405、5007)。位取り表に入れて、空いている部屋に0を書くと確かめられます。
- けた数を見ずに、いちばん左の数字でくらべる:998と1002で「9のほうが大きいから998が大きい」と考えてしまう。まずけた数をくらべます。
- 数直線の1目もりを1と決めつける:1目もりが10や100の数直線で、目もりの数をそのまま答えてしまう。
- 大きな数をカンマの位置で読もうとする:12,345,678のカンマで区切って読もうとして迷ってしまう。読むときは右から4けたずつです。
- 四捨五入のあと、下の位を0にしない:3482を百の位までの概数にして、百の位だけ1ふやした3582と書いたり、0を書かずに35と書いたりする。概数にした位より下の位は、すべて0になります(正しくは3500)。
家でできる5分の遊び
- おふろで数えっこ。100まで数えたら、次は2ずつ(に、し、ろ、や、とお)、5ずつ、10ずつ。慣れてきたら、10から0まで逆に数えたり、37から数え始めたりしてみましょう。
- いちばん大きい数をつくろう。0〜9の数字カード(トランプでも)を4枚ずつ引いて、なるべく大きい4けたの数をつくった人の勝ち。7、2、9、4なら、いちばん大きいのは9742、いちばん小さいのは2479です。
- 数当てゲーム。大人が1〜100(慣れたら1〜1000)の数を1つ決め、お子さまが当てます。ヒントは「もっと大きい」か「もっと小さい」のどちらか。何回で当てられるかな?
- 貯金箱の小銭を数えよう。1円玉が10枚で10円、10円玉が10枚で100円です。同じ硬貨を10枚ずつ積んで山をつくると、10枚の山1つが、1つ上の位の硬貨1枚分になることが見えてきます。最後に合計を位取り表に書いてみましょう。
- 大きな数さがし。スーパーのチラシ、新聞、地図帳などで大きな数を見つけて読んでみましょう。4年生なら、見つけた市の人口を四捨五入して千の位までの概数にしてみるのもおすすめです。
インディのチャレンジインディの巣には、ミツバチが4705匹いるよ。そこへ300匹がなかまに入ったんだ。ミツバチは全部で何匹になったかな? それを四捨五入して千の位までの概数にすると、約何匹? 答えを見る
4705 + 300 = 5005で、5005匹です。百の位の7と3をたすと10になるので、千の位に1くり上がり、百の位は0になります。千の位までの概数にするには、1つ下の百の位を見ます。百の位は0なので切り捨てて、約5000匹です。
数と位取りの無料プリント
家庭学習にも授業にも使えるプリントです。どのプリントも2ページ目に解答がついています。
100までの数のならび小学1年生, 小学2年生 · 1ずつ、2ずつ、5ずつ、10ずつ数えるPDFをダウンロード
10がいくつと1がいくつ小学1年生 · 2けたの数を、10のまとまりとばらに分けるPDFをダウンロード
百の位・十の位・一の位小学2年生 · 3けたの数を、位ごとの数に分けるPDFをダウンロード
がい数(四捨五入)小学4年生 · 四捨五入して、十・百・千の位までのがい数にするPDFをダウンロードよくある質問
数字が、どの位に置かれているかによって表す大きさが変わるしくみのことです。352の5は十の位にあるので、5ではなく50を表しています。
数字は0から9までの10この記号で、数はその数字を組み合わせて表したものです。文字を組み合わせて言葉ができるのと同じです。352は、3つの数字でできた3けたの数です。
65のように一の位が5の数は、60と70のちょうど真ん中にあります。真ん中の数はどちらかに決めておく必要があり、四捨五入では名前のとおり「4以下は捨て、5以上は上げる」と決めています。そのため、65は70になります。
日本語の数の単位が、万・億・兆と4けたごとに変わるからです。カンマを3けたごとに打つのは世界で広く使われている書き方で、日本でも値段や統計で使われています。学校では、万・億・兆で区切る読み方を中心に学び、カンマの書き方には4年生でふれます。
いいえ。0より小さい数(負の数)は、中学1年生の数学「正の数・負の数」で学びます。小学校では、気温の「マイナス3度」などを生活の中で目にする程度です。
インディと練習しよう
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